IBMを震え上がらせた男(池田敏雄)
先日、「雲を掴め 富士通・IBM秘密交渉」の本の紹介をしたのですが、思ったより、Amazonへのアクセスが多く、こういう話には結構皆さん興味があるんだなーと思いました。
先のBLOGにも書いたのですが、富士通には、池田敏雄さんという今の富士通のコンピュータ事業をゼロから作り上げた人います。何年か前にProject Xでも取り上げられ、業界にいる新しい人たちもその名前を聞いたことがあるかもしれません。また、テレビ朝日でも、単発ドラマとして、放送されていました。
私が、池田敏雄氏のことを知ったのは、89年に富士通に入社した際に、SEの新人研修で配布された一冊の本です。「IBMを震え上がらせた男―小説 池田武雄と富士通コンピュータ野郎たち」がその本です。私が、この業界に入った時に出会ったこの本は、ある意味、これまで私がこの業界で仕事しているときの羅針盤になっています。日本からIT技術を作り出すことが不可能でないことや、チャレンジする精神や常識にとらわれない考え方など学ぶことが非常に多いです。自分の仕事に対する迷いがある時に、机の奥底から取り出して何度も読み返しています。実際に、富士通を辞めて、日本オラクルに転職した時もこの本を読み返して、新しいチャレンジをしようと考えてました。
また、私が入社した当時の社長である山本卓眞氏の言葉が、外カバーの内側に、こうあります。
”今日、日本の技術レベルは世界水準に達し、独創性の議論が盛んに行われているが、こんなときに池田さんの残した一言がひどく思い出される。「君たちは義務感で仕事をやるから駄目なんだ。好きなことをやるべきだ」池田さんは、この言葉の通り自分の好きなコンピュータに情熱的に力を注ぎ、周囲にいた多くの人間をも創造の喜びのうちに取り込みながら、全く無からコンピュータ事業を起こし、富士通の大黒柱に成長させた。”
この言葉は、この本が刊行された1986年のものだと思われます。この後、日本におけるIT企業は、グローバル化の波を受けて、PC98シリーズは、DOS/Vに、オフコンは、IntelとWindowsに置き換わってしまい、日本独自技術もしくは、日本メーカが開発した製品で、世界を席巻しているIT製品は、ほとんど無い状況に陥っています。(グローバルで有名なのは、Rubyでしょうか。)
「独創性の議論」なるものは、今なお必要なものであると思います。特に、オープンソースの世界では、日本に居ながら、エンジニアとしての自分を試せる場が、すぐそこに広がっており、日々、色々なところで、独創性の議論は、されているに違いないと思います。Googleが成功しているのは、まさにこの「独創性の議論」ではないかと私は思います。
私には、新しいIT技術やオープンソースソフトウェアを作るエンジニア力はありませんが、(既にエンジニアの才能は、29歳で限界がわかりましたので)、それらを支える市場を作ったり、エンジニアが活躍する場所を支援することはできると思っています。その一つが、Asianuxだと私は捉えています。
さらに、弊社のエンジニアは、非常にプロフェショナル性が高く、その能力はすごいものを持っています。この人たちが活躍できる場を提供し、それをお金に換えて、会社を運営しつつ、エンジニアの人たちには、新しい挑戦と活躍を提供するのが、私の役目だと思い、日々、頑張っています。
この本とは、約20年つきあっており、きっと今後も仕事をしていく上で、読み返すことが多いと思います。是非、若いエンジニアやIT業界に居る人たちには、読んで欲しい一冊です。




> 世界を折檻しているIT製品
これは、直しておくれやす。
投稿: rk | 2007年12月 9日 (日) 15:22
修正に対するダメだし。
> 世界を震撼しているIT製品
「世界を席巻している IT 製品」が元だと思われ。「震撼」を使うなら
「世界を震撼させている IT 製品」でおながいします。
投稿: ワタナベ | 2007年12月13日 (木) 12:17
駄目だしありがとうございます。
投稿: 児玉 | 2007年12月14日 (金) 09:13