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プロフィール

吉岡 弘隆 - よしおか ひろたか

日本OSS推進フォーラム ステアリングコミッティ委員
OSDL Board of Directorsを歴任
カーネル読書会主宰

2000年6月、ミラクル・リナックスの創業に参加。
95年~98年、米国OracleにてOracle RDBMSの開発をおこなっていた。
98年にNetscapeのソースコード公開(Mozilla)に衝撃をうけ、オープンソースの世界に飛びこみ、ついには会社も立ち上げてしまう。
2008年6月取締役CTOを退任し一プログラマとなった。

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ポロシャツとハッカー

U-20プログラミングコンテストの委員会でまつもとさんと会った。MicrosoftのTシャツを着ていた。ミラクルさんのTシャツはないのですかと聞かれる。偶然にも当日納品のポロシャツを持っていたので、レアものポロシャツを進呈する。世界初Asianuxポロシャツ第1号はRubyの父「まつもとゆきひろ」に贈呈されたのであった(ぱちぱちぱち)。

にこにこ顔のまつもとさんの写真を撮ればよかったと気がついたのは会社に帰ってからである。

Linux Worldに一日だけ参加されるそうであるが、Asianuxポロシャツを着ていただけるとわたしとしてもとってもウレシイ。

Linux WorldでTシャツも配布する。6月1日にわたしのキーノートを聞いてミラクルTシャツをゲットし、Linux Worldを軽く見学の後、びぎねっとのオープンソースパーティに参加するのが正しいありかた。(http://www.miraclelinux.com/corp/event_seminar/2007/0601_1.html)

ポロシャツキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!? (http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/05/post_04e9.html)

オープンソースパーティ2007 (http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/05/post_da52.html)

Tシャツとハッカー(http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/05/t_37b1.html)

Linux World/BITS 2007 (http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/05/linux_worldbits.html)

価値創造の方法論

技術は会社のものではない。みんなのものだ。なんて事を言うものだから、よしおかさんには「カネの匂いがしない」などと言われてしまう。

企業戦略として知的財産権をトッププラオリティにして経営をするというのは、まことに理にかなっているし、それを否定するものでもない。

他社との差別化戦略で、他社に容易にまねできないものを持つという意味で、知的財産権をそのよりどころにするのは間違ってはいない。

一方で特許をはじめとする知的財産権というのは、新しい価値を創造することに対するインセンティブをあたえる事によって、大げさに言えば、人類の幸福に寄与することを目的としている。

特許法『第一条(目的)この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。』

著作権法『第一条(目的) この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。』

基本的な考え方は、価値を創造した者に特別の権利(例えば、一定期間独占的な権利)をあたえる代りに、それを公開させ文化、産業の発展に寄与することを目的としている。

公開して皆で利用すれば皆ハッピーという世界観である。

価値を創造するには経済的なコストがかかるので、ある一定期間独占的な権利をみとめ、そのコストを回収する機会をあたえようという考えだ。

さて、問題はこの独占的な権利というのをどのくらい認めた時、最も多くの価値が創造され皆が便益を得られるのか。そのベストな解というのは、どこらへんにあるのかということである。

独占的な権利というのが全くないという状況では、新しい価値を生み出すインセンティブがほどんどないので、誰も価値を創造しない(かもしれない)。一方で、独占的な権利が永遠に続くと、その価値を利用するのに高いコストがかかるので、やっぱり、利用が促進されづ、誰も得をしない。その中間のどこかに最良のポイントがあるはずである。

オープンソースの考え方は、独占的な権利というのを極限まで減らして、皆で共有する時に最も効率のよい価値創造が行なわれるというものである。

多くの商用ソフトウェアは180度反対で、独占的な権利でそのソフトウェアを守る。経済的な利益を得ることによって価値創造を持続させるという考えだ。

独占的な権利がなくて誰が価値を創造するのか?皆がそう思った。わたしもそう思った。汗水たらしてソフトウェアを作って、その資金をどう回収するのか。それは独占的な権利がなくてはできないではないか?誰もがそう思った。わたしもそう思った。

情報を公開する。おしげもなく価値を共有する。そうすると価値が自然発生的に拡大再生産する。

そんな事がありえるのか?誰もがそう思った。わたしもそう思った。

しかし、Linuxをはじめとするオープンソースソフトウェアは、その常識をいとも簡単にくつがえした。

われわれはそれをソフトウェア開発におけるバザールモデルと言うが、そのような奇跡がいままさに行なわれているのである。

ソフトウェア開発においてはバザールモデルが再現可能なモデルであるという認識が広がりつつあるが、それ以外の工業製品において同様な開発モデルがありえるのかは、今だに結論は出ていない。

しかし、情報を公開し共有するという開発スタイルに未来を見いだすのは、わたしだけではないと思う。

責任感

先日電話会社の研究所の方とお話をする機会があった。

最近、光電話のトラブルなどが話題になっているが、お話をした人たちは固定電話網担当の方なので、トラブルの話とは別の担当である。

電話の仕組みとか全くわかっていないのだが究極のミッションクリティカルシステムだということくらいはわたしにもわかる。受話器を上げたときにツーツーとなる。それですらとても大変なことのような気がしてきた(実際大変なことなのである)。

電話網を守るという責任感、使命感をひしひしと感じた。オープンソースの世界ではまだまだ見られない領域である。

先日の通信ベンダーの方もそうであったが、彼らの高い職業意識が社会インフラを支えていると思った。

オープンソースが社会インフラを担うようになってきて、それをサポートするわれわれがどれだけそれに答えられるか、大きな課題である。

オープンソースの破壊力

池田信夫氏がフューチャリスト宣言がオープンソースを誤解しているとブログで書いている。

「    『オープンソースというのは、誕生してからわずか10年以内です。もともとフリー・ソフトウェアというのはあったけれど、それは一つの研究室の中で作られるなど、物理的制約に縛られていた。(p.33)(フーチャリスト宣言)』

Richard Stallmanが聞いたら、椅子から転げ落ちるだろう。GNUプロジェクトができたのは1984年、Linuxの開発が始まったのは1991年だ。 EmacsもTeXも、インターネットを使ってさまざまなバージョンが共同開発された。たしかに"open source"という言葉をEric Raymondが使い始めたのは1998年だが、それ以前からTCP/IPもHTMLも、すべてオープンだったのだ。オープンとかフリーとか強調していないのは、初期のハッカーにはそれが当たり前だったからである。」

初期のハッカーが、「オープンソースというのは昔からあって、Eric Raymondらが1998年に名前を付けたマーケティング用語である」という立場をとるのも、オープンソースという言葉が生まれて以来延々と続いている。

Web 2.0というのが従来のWebの技術とどう違うの?というようなお話と似ていなくもないが、それはおいておく。

TeXはKnuth以外は開発にかかわっていないと思うけど、それはさておき、オープンソースの破壊力というのは、ライセンスのお話ではなくて、バザールモデルとして知られるその開発方法論であると思う。

開発スケジュールもなければ明確な役割分担や指揮命令系統もない、ましてや主体的な開発組織、実体のないものが、高品質な大規模ソフトウェアを作れるわけがない、というソフトウェア工学のアンチテーゼとしてのバザールモデルの驚異である。

池田氏は「『カテドラルかバザールか』などというのは、大した違いではない。」と言いきるが、大した違いなのである。

Linuxのすごさはよってたかって作るというラディカルな開発スタイルで、そのような乱暴な開発スタイルでも、精密で品質の高い大規模ソフトウェアを構築することができると「実証」した事にある。

おもちゃのソフトウェアは一人で作れるけど、実用的なOSのような大規模ソフトウェアを一見無秩序にみえるようなコミュニティによって実装できることを示したのである。

Richard Stallmanの功績は、GPLというライセンスを発明した事にあるが、80年代から90年代中頃まで、Richardとごく一部の周辺の人達くらいしかGNUの開発に参加していなかった。実際、Richardはインターネットの向う側のプログラマを信用していなかったので、パッチや改良を貰うときにFSFに著作権を譲渡するような書類にサインさせていた。彼の人柄かもしれないが、当時バザールは発生したとは言えないと思う。

Linusはそんなことはおかまいなくコードを取り入れた。たったそれだけと言っちゃあそれだけなのだが、その違いが本質的な違いにすらなるというのがバザールモデルの「発見」だとわたしは思う。

ネットの向う側にいる人を信用できるか、できないか、するか、しないか。その立場の違いがバザールモデルになりえるか、なりえないか。最初のコードを書いてネットに公開し、その発展をネットの向うの人達を信頼し委ねる。もちろん自分は影響力を持つが基本的にはコミュニティを信頼する、そんなスタイルがバザールを成功させる。

会ったことも、見たこともない人と世界規模でコラボレーションが出来るということを実証したLinuxというプロジェクトは、やはり奇跡だと思うのである。

Linusだけではない。オープンソースの定番のソフトは、バザール方式で開発されていて、そのような開発方式が再現可能であるということを多くのオープンソースのハッカー達が実証したのである。

バザール革命と言っても過言ではない。

そのような開発方式が広く知られるようになったのはEricの「カテドラル(伽藍)とバザール」という10年前のエッセイなのである。

http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070520

http://www.chikumashobo.co.jp/special/futurist/

第75回カーネル読書会のおしらせ

日時:5月31日(木)、18時半開場、19時ころ開始
会場:株式会社オープンドリーム、セミナールーム
   http://www.opendream.co.jp/corp_location
   最寄の駅: 銀座線末広町駅

お題:カーネルメンテナーとの懇談会
発表者:Tony Luck (IA64 カーネル メンテナー)
内容:Tonyを迎えて今カーネルメンテナーの間で話題になっていることや今後取り込まれていきそうなものを話してもらいます。
その後でQ&Aを行います。カーネルコミュニティーとの付き合い方などざっくばらんに議論しましょう。

18:30頃、開場
19:00頃、お題開始
20:30頃、懇親会開始

小薗井さんがボランティアで通訳をしますのでどうぞお気軽にご参加、質問ください。

読書会の後近くで懇親会をします。
予定価格(4000円〜5000円程度、学割1000円を想定)
(人数によっては社内で)

懇親会参加希望の方は、懇親会参加と明記してください。

登録はいつもの宴会君
http://utage.org/enkai/
宴会コード kernel070531

会場の都合で40名程度で締切ます。

ポロシャツキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!?

すいませんすいませんすいません。一度やってみたかったんです。(^_^)

マーケに製作してもらったポロシャツが来た。スーツを脱いで早速着てみた。ぐふふである。
070522_11140002
Tシャツも鋭意製作中である。

Linux World TokyoではミラクルTシャツを配布するそうだ。わたしのキーノートで先着150名様らしい。設立7周年記念Tシャツということになる(ノベルティとしてはしょぼいが気持がウレシイ)。

まあ、そんなこんなの今日この頃である。

オープンソースパーティ2007

びぎねっと宮原さん主催のオープンソースパーティ2007のご案内です。

下記、そのまま転記します。Linux World Expo/Tokyoの最終日
しかも金曜日なので奮ってご参加を。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ここから~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『オープンソースパーティー2007』のご案内

今年もLinux Worldが5月30日(水)〜6月1日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されます。
これに合わせて、例年通りオープンソース関係者が一同に集える大宴会を企画しましたので、ご案内いたします。

毎回多くの方にご参加いただいている賑やかなパーティーです!ドシドシと集まっていただき、オープンソースの盛り上がりを感じることができればと思っております。

お忙しいとは存じますが、是非ともご参集いただき、情報交換と新たな人脈を築いていただく機会としていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。


■開催概要
●日時:2007年6月1日(金) 19:00-21:00 (18:30 受付開始)
●会費:4,000円(飲み放題コース・当日会場受付にて・ドタキャン禁止)
●会場:T.G.I.フライデーズ  銀座8丁目店
        http://r.gnavi.co.jp/g572202/
●交通:JR新橋駅  徒歩7分
●住所:中央区銀座8-9-4 銀座たあぶる館1〜2F
●TEL :03-5537-5955

●参加資格:老若男女・資格肩書き一切不問
  ・オープンソースをさらに盛り上げたい人
  ・とにかく飲みたい人
  ・旧交を温めたい人
  ・人脈を広げたい人
  ・何か飯の種を探したい人

●申込:宴会くんにてお願いします

  宴会くん  http://utage.org/enkai/
            ENKAI_CODE=osp2007

※ 当日は領収書を発行いたします。

ご不明な点がありましたら、幹事(ginjiro [at] Begi.net)までお問い合わせください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Tシャツとハッカー

先日、mixiのTシャツを着ていたら知人がよしおかさんはエライ人なんだから貰いもののTシャツなんか着ないでくださいよ、とか言われた(とほほ)。好きで着ているのだからいいじゃないか。シリコンバレーに居たときは貰い物のTシャツとジーパンという実に楽な格好をしていたのだが日本ではさすがにそうもいかない。

先日、会社で人材募集のビデオ撮りをしたのだが、その時はカジュアルな格好ということでポロシャツ姿であった。まあ、ポロシャツくらいが日本基準なのかもしれない。

しかし、やっぱりプログラマとしてはTシャツというのは外せないアイテムである。ミラクル・リナックスを設立以来やっぱミラクルTシャツを欲しいよなあ、あったら毎日着るのになあなどと思っていたのだが、じゃーん、長年の夢がかなって、ついにミラクルTシャツができる運びになった。素直に嬉しい。

詳細はまだ不明なのだが(不明かよ)、見本が到着したらまたこのブログで紹介したいと思う。請うご期待(実は自分が期待している(笑))

技術は会社のものではない。みんなのものだ。

技術は会社のものではない。みんなのものだ。

プロプライエタリな世界に長くいると、上のようなことを言うと、こいつおかしいんじゃないかと思われてしまうが、オープンソースの世界にどっぷりつかっていると、「技術は会社のものではない。みんなのものだ。」というのはおかしくともなんともない。至極普通のことと思う。

企業がオープンソースに関わるとき「技術は会社のものではない。みんなのものだ。」ということを理解できているかどうかというのが成功のポイントになるような気がする。理屈の上では理解していても企業、組織として理解できているかは別の話である。

例えば、オープンソースソフトウェアを共同して改善する場合、そのプロセスそのものを公開できるか。密室で改善するのではなく、公開のメーリングリストなどでオープンに議論しながらパッチを作るとかを、最初っから実践できるか。そもそも開発を公開のメーリングリストでするという発想があるかないか。開発ポータルをsourceforgeのような公開サイトで行うということが自然にできるか。

わたしの野望はそのような行動原理を理解する会社や組織を少しでも増やして多くの人たちと共同でオープンソースの開発をする土壌を作ることである。それを日本という地域でやりたい。なかなか道は遠いのであるが不可能ではないと思っている。(よしおかの野望)

なせ欧州のオープンソース開発者は活発なのか

佐藤嘉則氏の「なぜ欧州のオープンソース開発者は活発なのか---FOSDEM2007に見るヨーロッパのOSS事情」という記事が面白い。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070508/270280/

佐藤氏はLinuxのH8アーキテクチャのメンテナーであり、サイオステクノロジーでLinuxのサポートをおこなっているプロ中のプロである。

日本という地域では、組み込みLinuxのベンダやハードウェアベンダ以外でLinuxのカーネルを仕事として開発、変更しているというエンジニアはほとんどいない。その意味で佐藤氏は貴重なエンジニアの一人である。

さて、上記の記事は彼がFOSDEM2007での旅行記という形式をとるが日本の開発者への熱いメッセージでもある。引用する。

所属企業からの支援も「勝ち取るもの」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070508/270280/?ST=oss&P=6

 例えば,数人の開発者の話を聞くと,所属する企業がその活動に理解を持ってくれたり,色々と環境面では支援してくれているそうです。

 しかし,ただ黙って開発活動をしていれば会社が分かってくれる,と考えているわけではないのは,彼らと触れ合ってみるとよく分かりました。つまり,その環境を得たのは,「理解がある会社」だったとか,「温厚な会社」だったからではないのです。ヨーロッパの開発者たちを見ていると,技術だけではなく,それを伝えるコミュニケーション能力やエバンジェリスト的な影響力や説得力が格段に高いことが分かります。

 そういう意味ではOSS開発という環境を得ることも彼らの一つの成果ということです。権利とは勝ち取るものだという意識の強さも関連するかもしれません。

どうも日本という地域にいると権利というのは天から授かったものという受身の姿勢が多いような気がする。仕事もそうだ。仕事というのは自ら勝ち取るものではないのか。主体的に動いてゲットするものではないのか。

日本のエンジニアが優秀でも「ひ弱」な印象を受けるのは問題を自ら発見し、定義し、解決するという、その意味での主体性の見えにくさに起因するような感じがする。与えられた問題はそつなくこなすが、問題を定義し、会社にそれを認めさせ、自分の仕事にするという力量が圧倒的に弱いと思う。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070508/270280/?ST=oss&P=6

 このようなイベントが日本で行われるようになるためには,無償で使用が可能な公共施設,ボランティア支援団体,そして企業側の理解などの開発者を取り巻く環境面も重要ですが,まずは一人一人の開発者が強い気持ちを持って世界に飛び出していくこと,また,自らの技術や成果を強くアピールしていくことも,その大きな一歩になるのだと思います。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070508/270280/?ST=oss&P=5

 日本の開発者に足りないもの,それは「外に出ていく意識」なのではないでしょうか。

欧州の開発者にふれていい刺激を受け、その熱気を日本の開発者に伝えるという思いがひしひしと伝わってくる。

「外に出ていく意識」こればっかりは一人一人が行動をおこさないことにはどうしようもない。

企業内でLinuxをいじっている人、仕事にしたいと思っている人、環境は与えられるものではなく、自ら勝ちとるものである。

もちろん、会社との交渉ごととか上司の動かし方などにも戦略、戦術、テクニックはある。オープンソースという得体の知れないものを売り込もうとすればなおさらだ。しかしそのテクニックには常道のパターンがあるので、それをみなで共有するのは無駄ではない。むしろ、上手に共有して、自分の環境をすこしでも良くしエンジニアとして楽しいハッピーな生活を創ることは、自分だけではなく結果として回りもハッピーにすることになる。

外に出よう。

そして、彼らからエネルギーをもらおう。

世界は広い。可能性は大きい。世界は可能性に満ちているのである。

JavaからRubyへ

角谷さんからの献本。ありがとうございます。

これは、文字どおりJavaからRubyへの移行するにあたっての実践的なガイドとなっている。技術的な側面よりもマネージャが知らねばならない様々な問題について議論している。

この手の本はパターン言語として、新しいパラダイムとか技術を導入する時に注意しなければならないガイドとして読める。

例えば、Linuxを導入するには、情報収集をして、限定的な展開をし、広範囲な展開をする。とか。

7章「普及」。要員の育成、社内でのスキル育成、短期間での立ち上げ、来るべき日に備える、などなどはJavaからRubyへの移行じゃなくても参考になる。かなり一般的なお話だと言えよう。

Rubyが言語としての熱狂を得ているのは、このような書籍が出版されていることからもうかがいしれるが、大手国産ハードウェアベンダのレーダにはまだ映っていないようだ。大丈夫なのかな。

いづれにせよ、新技術を導入したいと思っている技術者にとって、上司を説得するのに便利な一冊となっている。買いだ。

Matz日記
http://www.rubyist.net/~matz/20070420.html#p04

かくたにのWiki 『JavaからRubyへ』サポートページ
http://kakutani.com/wiki/articles/?FromJavaToRuby

オープンソースソフトウェアの本当の使い方


リナックスアカデミーの濱野賢一朗さんと日立の鈴木友峰さんの新書である。献本ありがとうございます。

鈴木さんとは、日本OSS推進フォーラムのワーキンググループなどでいつもお世話になっていて、IPAでやったOSSの評価プロジェクトなどではご一緒させてもらったりした。

本書も単なるOSSの解説だけではなく、IPAのOSS評価プロジェクトで得られた知見などをおりこみ類書にない特徴をだしている。(第4章など)

第5章で「OSSの課題」にふれているが、OSSミドルの発展はリナックスのようにはいかないだろうとしている。リナックスの開発の多くが最近はハードウェアベンダなどに勤務するOSの専門家によってなされているというのはよく知られているが、OSSミドルにはそのようなメカニズムがはたらきにくい。例えば、データベース管理システムの専門家はOracleのような専業ベンダーに多数いるが、彼らがOSSのデータベースの開発に貢献するというのは考えにくい。リナックスの場合、ハードウェアベンダーにとってはハードウェアを売るためにリナックスの開発に投資をするというのはありえても、OSSミドルの場合はミドルウェアベンダがOSSの開発へ投資するというのは考えにくいという事である。

わたしもある程度同意するのであるが、OSSミドルの大手ユーザが開発者を雇用して機能拡張をするというシナリオはありえる。PHP/Perl/Rubyなどの開発者がWeb 2.0系の企業に勤めていたりするからである。MySQLなどの大規模事例では、エンジンそのもののチューニングなどもユーザがおこないつつあるのである。

第7章では、OSSの活用はSIベンダーの競争優位性になりうるという指摘はまったくその通りだと思う。

OSSのメリットについて手軽(?)に理解する一冊になっている。

Linux World/BITS 2007

今年も出ますLinux World Expo/Tokyo 2007 Keynote Track。内容は、マーケとつめているところなのだが、Asianux Server 3(この秋登場の新製品)のお話を中心にまとめるつもりだ。http://www.miraclelinux.com/corp/event_seminar/2007/0601_1.html

Asianuxプロジェクトも2003年12月に発足以来早いものでもう3年半もたっている。ミラクル・リナックスも今年で丸7年。この7年間でわれわれはどんなことをやってきたかというような事もふれたいと思う。

6月1日金曜日なので、Linux Worldを見学するならわたしのキーノートを見て、会場をぶらぶらして、夕方のパネルディスカッションを聞いた後、宮原さんのオープンソースパーティに参加するというのが黄金のパターンである。生よしおかに会うチャンスである〜。

マーケもはりきっていて、長年の夢だった(おおげさだな)Tシャツとかも作製するそうなので楽しみである。(Tシャツはわたしが一番楽しみにしているのだ)

また日本ユニシスグループ主催のBITS 2007のパネルディスカッションにも参加する。これも毎年の恒例みたいな感じになっている。司会の岡田さんの絶妙な仕切りが楽しみである。こちらは6月7日。

http://bits.unisys.co.jp/2007/information.html#03

エンジニアのマインドとは

技術評論社「エンジニアマインド」創刊号巻頭座談会。リナックスアカデミーの濱野賢一朗氏の司会で、伊藤直也氏,ひがやすを氏,登大遊氏,木下拓哉氏、そしてわたしで話をした。

その後場所を居酒屋に移して、その続きをやった。それがボーナストラックとして公開されている。
ご笑覧を。

http://gihyo.jp/dev/serial/01/talks-bt/0003

直に会うこと

直に会うことはスケールしない。大学の授業とか、フェース・ツー・フェースの会議とかはスケールしないので貴重な行為となる。まあ、そのとおりだ。

フーチャリスト同盟、96ページ

梅田:『最近、いろいろな大学から「うちで教えてくれないか」というお誘いを受けるんですが、すべてお断りしています』

なんでお断りしているかは本文を見ていただくとして、大学という仕組み(一つのクラスに集ることを前提とした仕組み)での知識の再構成、伝承というのがインターネット時代にそぐわなくなってきている。

一方で直に会うことの価値というのは相対的に非常に高くなってきている。貴重な行為である。

カーネル読書会という勉強会なんだか単なる宴会の延長なのかわからないような会合を長いことやっていると、直接会うことのメリットというのは間違いなく実感する。最近ではビデオ映像を配信する場合も多いので内容そのものは現場にいなくても入手できる。まあわざわざカーネル読書会にでなくても情報だけは入手できる。ビールを飲みピザを食べながらの雑談にどれだけ価値をみいだすかということになるのだが、それが楽しくて74回も実施しているのである。

こればっかりは止められない。

別に誰かに強制するつもりは全然ないのだが、引き籠っていないで、たまには街に出てみよう。初めての人と会ってみよう。

インターネットの時代だからこそ直に会って話をすることの重要性は増すと思うのである。


http://www.chikumashobo.co.jp/special/futurist/

http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070507/p1

フューチャリスト宣言

梅田望夫、茂木健一郎の対談集。

ブログでおびただしいほどの書評、感想、コメントがこれから記されるだろう。それに何をつけくわえるべきか。

梅田望夫特別授業「もうひとつの地球」を読むだけでもこの本を手にとる価値がある。ここに、この本の真髄、あるいは梅田の真髄がある。

未来は明るい。そう信じる心が社会を動かす。未来に対する強い意志が自分を変え社会を変える。梅田も茂木も楽天的である。未来に肯定的である。そして未来を作る意志を持つ。未来はどうなるかと予測するのではなく、未来をどうしたいのかを語る。

これからの未来を創る自分の娘に読ませて感想を聞きたいと思った一冊である。


http://www.chikumashobo.co.jp/special/futurist/

「フューチャリスト宣言」連休明けに発売
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070427/p1

「フューチャリスト宣言」いよいよ発売です
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070507/p1

「フューチャリスト宣言」増刷のお知らせ
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20070509/p1

書評 フューチャリスト宣言/404 Blog Not Found
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50825977.html

ブログと人材採用

事業拡大にともなって人材の積極的な採用を継続的におこなっている。われわれソフトウェア製造業は、人材が価値を生みだすので、人が全てといっても他ならない。再三このブログで記しているとおりである。

実は、このブログ(ユメのチカラ、2007年1月23日23:00)「人材」で「弊社ではエンジニアを募集中であるが、びびらないで気楽に応募してほしい。」などと記したのであるが、ある元気のいいエンジニアが応募してきた。面接、試験などを経て先日、はれて入社。おめでとうございます。

さて、最近入社の人達とランチを食べる機会があって、いろいろお話をうかがうのだが、入社のきっかけとか動機というのは、人それぞれで面白い。最近増えてきたのが弊社のブログを読んで社風が気にいったとか、楽しそうだとか、物を作りたいとか、そーゆーポジティブな印象を弊社のブログから受けたからというのがある。

入社をしたいというくらいだから、弊社に興味をもっていただいているとは思うのだが、会社の実状なんていうのはいくら会社説明の資料を見てもなかなか分るものではない。売上、利益、従業員数、平均年齢、男女比、所在地、沿革、社長の言葉、等々は外側からみたものである。いわば外面。

一方ブログは社員の内情、実状が微妙に滲みだす。いくらとりつくろってもネガティブオーラやポジティブオーラが醸しだされてしまう。

情報発信のチカラである。

就職活動をしている人は、興味のある会社のホームページをチェックするだろうが、そこにブログがあって社員がカジュアルに情報発信をしていたら、その会社の等身大の姿を発見するだろう。ポジティブな情報もネガティブな情報も一切合切ひっくるめて、その会社をイメージする。

これは、採用する側にとっても採用される側にとっても大変なメリットである。採用する側は優秀な人材にリーチできるし、採用される側は応募する会社のイメージを得られる。

通常の就職活動では、応募する会社の情報は限られているので、応募する側にとってはメリットは大きい。入社してからこんははづではなかったという事が減る。就職経験がない新卒者はまだしも中途入社の人々からみれば転職の不安や心細さなどを低減する効果がありそうである。

企業発のブログを採用活動にむすびつけようというのは若干、ムシが良すぎるキライもなくはないが、許容範囲内ということでお許しいただきたい。まあ、企業発のブログというのは教科書どおりには、なかなかいかないので、企業発ブログを自社で展開しようと考えている人は、試行錯誤の上、チャレンジしてみてほしい。

ということで、継続的にカーネルエンジニアを募集しているので、どんどん応募してほしい。ブログを見たというのが合言葉だ(笑)

そして、あなたのブログのURLを履歴書に書きそえて。

http://www.miraclelinux.com/corp/recruit/

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