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プロフィール

吉岡 弘隆 - よしおか ひろたか

日本OSS推進フォーラム ステアリングコミッティ委員
OSDL Board of Directorsを歴任
カーネル読書会主宰

2000年6月、ミラクル・リナックスの創業に参加。
95年~98年、米国OracleにてOracle RDBMSの開発をおこなっていた。
98年にNetscapeのソースコード公開(Mozilla)に衝撃をうけ、オープンソースの世界に飛びこみ、ついには会社も立ち上げてしまう。
2008年6月取締役CTOを退任し一プログラマとなった。

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ウェブ時代をゆく

梅田望夫「ウェブ時代をゆく」を読んだ。

日本社会に足りないビタミンを補給してくれる書籍だ。

いまでこそ、シリコンバレー精神だなんだということが人々の話題にのぼるが、日本になんらかの違和感を持って90年代はじきだされたわたしとしてはかの地から日本を眺めていた時期もあったけど、結局のところやっぱし日本が好きだし日本でどうにかして何かを成し遂げたいと思っていて、その意味でこの「ウェブ時代をゆく」というのは梅田望夫が日本にいる若い世代に日本に足りない何かを必死になって伝えようとしている一冊である。

一時期、シリコンバレーに居たものにとって、梅田望夫のような楽天的な未来を信じる人々というのは、シリコンバレーには特異な人間ではないと言うことを知っている。それは、30代後半あるいは40代になっても現役でバリバリコードを書いている人が珍しくないのと同じくらい珍しくない。

大きな組織にしか大きな仕事ができない社会と、小さな組織あるいは個人にもそのようなチャンスがあり、小さな組織が有機的にからみあって共同で大きな仕事をする社会。極論すれば後者のようななイメージをシリコンバレーという地域は持つ。

ソフトウェアによって社会を変える。ハッカーが持つ精神というのを、日本で言ったら間違いなく笑われる。会議室でそんなことを言ったら頭がおかしいのではないかと思われる。

日本ではそんなことを声高では言わない。Suicaは便利だ。不具合も取りざたされているけど便利だ。いちいち券売機で切符を買う必要がない。そのようなちょっとした便利を実装しているテクノロジーを開発した人は声高にその成果を誇らない。誇ってもいいとわたしは思うのだがそれが日本の社会である。

どちらがいいとか悪いとかの話ではない。

もう少し個人が自立して生きていく方が息苦しくなくていいと思うが、別に誰かにそれを強制するつもりは、わたしはない。

誰もがシリコンバレーに行けるわけではないし、行く必要もないし、日本の社会がそれを真似る必要もない。

しかし、評論家のように日本でできない理由をあげつらってもしょうがないと思う。日本はIT産業が3K職種だなんだなんて言ってもしょうがない。仮にそんな状況があるのなら、それを変えればいい。大げさな話ではなくて自分の周りのちょっとしたことをちょっと変える。

わたしは、おっちょこちょいなもんだから、面白いと思っていることを無邪気にやっていたら、今ここにいる。何かの戦略性があってここにいるわけではない。しかし、若干の自覚を持って、プログラムを作ると言うことに何がしかのこだわりを持って、いまの自分のポジションを作ってきたことも確かだ。

日本と言う地域で、もう少しプログラミングをすることが楽しくて誰かの役に立つという仕組みができればいいなあと思っている。少なくとも、そーゆー社会は実現可能だと思うし、自分でもできる範囲でこつこつとやっていきたいと思っている。

例えば、技術者としてその専門性を伸ばすために、会社の壁を超えて自由に技術的情報を交換できる場としての広い意味でのコミュニティ活動は、最近では大変活発になってきている。東京ではそれこそ毎日のようにいろいろなところで、勉強会だか読書会だか講演だかセミナーが開催されている。自立した技術者であれば、そのような場所に顔を出し、自らの専門性を磨くことに障壁はほとんどない。自覚を持ってそのような交流会に出て刺激をうけ誰かのスタイルを参考にして自分のスタイルにしていける。

かつては大きな組織と言うのが圧倒的に有利であった。今でもそのようなことはいっぱいある。しかし、一方でウェブやオープンソースの時代はその規模の経済性が相対的に低くなってきていることも事実だ。

大企業じゃなければOSの開発に携われないということはない。大企業じゃなければプログラミング言語を開発できないということではない。大企業じゃなければデータベース管理システムを開発できないわけではない。

大企業をシリコンバレーに置き換えてもいい。

シリコンバレーにいなければOSの開発に携われないということではないのだ。

ウェブやオープンソースのおかげで随分世の中は面白くなってきた。

世の中は自分の力で面白くもつまらなくもなるんだよ、それを作っているのは一人一人の個人なんだよという考え、働き方は、若者だけではなく、40代、50代のおじさんたちにも共感できるなにがしかのものをもっている。自分を犠牲にすることはない。いい意味で自分のために自覚を持って働くことが全体の幸福に繋がるようなそのような社会をみんなで作っていきたいなあなどと妄想は膨らむのである。


「ウェブ時代をゆく」いよいよ発売です。 - My Life Between Silicon Valley and Japan
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20071105/p1

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コメント

>世の中は自分の力で面白くもつまらなくもなるんだよ、それを作っているのは一人一人の個人なんだよ
私もそう思います。最初から諦めている人や待ち姿勢な人に幸せなことや面白いことは起こらないものです。
お偉いさんの堕落や凶悪犯罪の増加も、自分が見て見ぬふりをしていたら改善されるはずが無いですしね。

改めて考える事が出来ました。今このエントリーに出会えてよかったです。自分のやりたいように出来る時代が少しずつ可能になってきたんですね。すばらしいことだと思います。
自分も早く「ウェブ時代をゆく」を読みたくなりました.

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