Netscapeのソースコード公開。あれから10年
今はなき米国Netscape社がその基幹製品であるNetscape Navigatorのソースコードを公開する事を発表したのが1998年1月である。
http://web.archive.org/web/19990418045224/home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease558.html
MOUNTAIN VIEW, Calif. (January 22, 1998) -- Netscape Communications Corporation (NASDAQ: NSCP) today announced bold plans to make the source code for the next generation of its highly popular Netscape Communicator client software available for free licensing on the Internet. The company plans to post the source code beginning with the first Netscape Communicator 5.0 developer release, expected by the end of the first quarter of 1998. This aggressive move will enable Netscape to harness the creative power of thousands of programmers on the Internet by incorporating their best enhancements into future versions of Netscape's software. This strategy is designed to accelerate development and free distribution by Netscape of future high-quality versions of Netscape Communicator to business customers and individuals, further seeding the market for Netscape's enterprise solutions and Netcenter business.
わたしは当時のシリコンバレー日記に下記のように記している。
Netscapeの決断
本日もっとも驚いたニュースが Netscape がその主力製品である,ネットスケープコミュニケーターのソースコードを無料で提供するというものである. http://home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease558.html同時にナビゲータ等もインターネットを通じて無償配布することも発表した.これはあきらかにMSに対する戦略的な攻撃であるが,主力ソフトの無償配布だけならまだしもそのソースコードの配布という画期的なこの動きはどのような影響を業界にあたえるのだろうか?
(中略)
Netscapeの決断をわたしは歓迎する.もう一つのブラウザをわれわれが持てる.その競争によってよりよいものが生まれそして技術革新が加速されるであろうと期待する.
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Netscapeの決断によって、われわれはバザールモデルという新しいソフトウェア開発方法論を広く知るようになり、オープンソースという新しいパラダイムに出あうことができた。
もちろん古くからフリーソフトウェアはあったし、Richard Stallmanの孤軍奮闘はあったが、ビジネスマンがオープンソースというものを知るきっかけをつくったのは正にNetscapeの決断があったからである。
あれから10年。わたしはオープンソースの世界にいる。仕事としてそれにかかわっている。
10年で世界は随分変ってしまったようにもみえるが、一方で変っていない事も多い。ソフトウェアビジネスもオープンソースをぐっと飲み込んで発展している。変った部分、変っていない部分、いろいろある。
10年前に感じた疑問。ソフトウェアがフリー(無償)になったとき、どうやって金を稼ぐか。その疑問に対する確かな答というのは、わかったようでいてよくわからないというのが本当のところである。
業界にインパクトはあたえた。不可逆的な変化ももたらした。しかし付加価値をつけ利益を得るというビジネスの基本にはいささかな変化もないし、オープンソースであってもそれは例外ではない。
この10年、わたしは何を学んだのだろうか?
この10年、わたしは何を学ばなかったのだろうか?
今日はそんなことを考えてみたい。




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