ここのブログの読者の皆様にはご存知のこととは思うが、ほそぼそとカーネル読書会という名の宴会、もとい、勉強会みたいなものをやっている。
最近特に思うのだが、東京界隈ではそれこそ毎日のようにあちらこちらで勉強会など開催されている。定期的な開催もあれば不定期な開催もある。カーネル読書会のようなゆるゆるな運営もあれば、きちんとした運営のもと何百人もあつめるカンファレンス形式のものもある。
まあ、感覚的には結構頻繁にいろいろやっているよねと思っていたのだが、下記のIT勉強会カレンダーを見てほしい。
https://www.google.com/calendar/embed?src=fvijvohm91uifvd9hratehf65k%40group.calendar.google.com
本当に毎日毎日いろいろな勉強会をやっている。このカレンダーは、はなずきんさん(http://d.hatena.ne.jp/hanazukin/)が個人で編集されているものなので、おそらくもれや抜けはすくなからずあるだろう。例えば、仲間うちでやっている読書会とか、広く募集していない勉強会などは当然載っていない。
これらの勉強会の特徴を一つだけあげるとしたら有志がボランティアでやっているものだ。商用のセミナーではない。IT系のカレンダーなので、業界の人達が集まるLinux World Expoとかの日程などももちろん掲載されているが、圧倒的多数はボランティアが自主的に開催している勉強会である。
個人が主催しているので、会費も無償か、あってもかかった経費を割り勘というのが多い。
内容も千差万別だが、それにしてもこれだけのコンテンツをほぼ無償でよりどりみどり勉強できる環境がこの地にはある。
勉強会によっては、勉強会のあと懇親会(宴会だよ宴会)がついてくる。これがまた楽しい。カーネル読書会は宴会があってのカーネル読書会のようなものである。
発表者に直に質問する絶好のチャンスである。宴会で隣に座った人が実は業界で知らぬ人はいない神様みたいな人だったりすることもある。あるいは一度も会ったことはなかったけど日記は良く読んでいたという、ああ、あの人かという人だったりすることもある。
確かに初めて勉強会に行くのはちょっとした勇気が必要だ。周りの人は皆初対面だったりするのはなかなか踏ん切りがつかない。行っても打ち解けないかもしれない。常連の人達は楽しそうにやっているかもしれないが部外者が行っても場違いではないか。などなど行かない理屈はいくらでもつけられる。
しかし、別にそんなに大袈裟に考えることはないと思う。ためしに行ってみて、だめだったら、自分にあわなかったら、別の勉強会に行けばいいだけの話だ。経済的なダメージがあるわけではないし、何がしかの知識が得られ、ひょっとしたらもっとすごい何かを得られるかもしれないチャンスなのである。
だめもとである。
いろいろな勉強会に参加してみて本当に思うのだが、このゆるい参加者の繋がりはとてつもない可能性を持っている。
カーネルの技術者もいれば、Web 2.0の開発者もいる。Perlのエラい人もいれば、Rubyの開発者もいる。ユーザーもいればばりばりのハッカーもいる。皆楽しそうにくっちゃべっている。わたしみたいにビールでヘロヘロになりながらキャッシュミスがどーだこーだなどと延々ヨタ話をかましている奴もいれば、大所高所から日本のIT産業の未来について、おまえはこの国の首相かみたいなツッコミを入れたくなるような論調でべきろんをぶっているやつもいる。
若い人もいれば年寄もいる。
オープンソースの技術論についてはとどまる事をしらない。MySQLやPostgreSQLのスケーラビリティについて、それこそ重箱の隅をつつきながら議論している。LAMPなどの定番のオープンソースについては共通の基盤として語彙がそろっている感じである。
そして単なる参加者だけではなくより積極的に発表者になろうというのが、1000人スピーカプロジェクトである。
http://ja.doukaku.org/wiki/index.php/1000speakers
自分を晒そう
恥ずかしがるための プライドなんて捨てちまえ!
それが自分のためにも 人のためにもなる
1000人スピーカ プロジェクトは、発表経験の少ない人に「自分の技術をさらけだす場」を提供することを目的としたプロジェクトです。
カンファレンスで自分のやったことについて発表することはとても重要です。しかし、参加者が100人を超えるようなカンファレンスで発表するのは敷居が高いです。また、そういうカンファレンスではどうしても参加者同士のつながりが薄くなりがちです。そこで、30人程度の規模のカンファレンスを繰り返し行うことで、敷居を低く、間口を広く、密度を濃くしていこうと考えています。
これだよこれ。こーゆープロジェクトがどんどん増えていって、勉強会の幹事もどんどん増えていって、参加者も発表者もどんどん増えていって、知が流通している。そんな実感がある。
日本にはGoogleはない。
だけど嘆くことはない。
われわれは勉強会、読書会という知のネットワークをここに持っている。
そしてプラットフォームとしてのインターネットを使いこなしている人々がいる。
巨大なバーチャルな学びの場をわれわれは持った。梅田望夫が「私塾のすすめ
」で語っているような「私塾」があるような気がする。
参考:
カーネル読書会に必要なことは宴会で学んだ/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/08/post_5135.html
勉強会の幹事に向けて書いた。勉強会の運営のイロハである。
ちょっとした勇気と行動力(オフ会編)/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/12/post_fbd6.html
こちらは参加者へのメッセージだ。最低限、初対面の人と知り合いになろう。名刺交換をしようという、ちょっとしたコツを伝授(大袈裟だな)している。
勉強会でのエピソードなども早速ブログのネタにしちゃったりする。
Web2.0時代のソフトウェア開発のスピード/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/04/web20_5b1a.html
勉強会の後の懇親会で教えてもらったエピソードをネタにしちゃっている。金曜日の飲み会で企画会議をするという。
そしてこのエピソードはいろいろなところで使い回しをさせてもらった。
NDD (Nomikai Driven Development)/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/06/ndd_nomikai_dri.html
カーネル読書会のめざすもの/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/06/post_d222.html
なぜ、わたしはカーネル読書会なるものを始めたのかについて記した。
カーネル読書会とよしおかの野望/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2006/07/post_69b1.html
ゆるい感じのカーネル読書会の実態を記している。
OSSの技術カンファレンス、縦串横串/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2006/07/oss_f5f1.html
日本にはGoogleはないけど、OSの専門家やRDBMSの専門家やWebアプリケーションの専門家がバーチャルにコラボレートして世界にないものを創造していく、そーゆー緩い場ができると面白いなあなどど最近思っているのだ。それを東京と言う地域でやれないかなあと。
1000 Speakers Conference/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2008/02/1000-speakers-1.html
先に紹介した1000 Speakers Conferenceに参加した時のレポートだ。発表がニコニコ動画にアップされているのも嬉しい。インターネットのおかげで時間も空間も超越できるようになった。
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