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プロフィール

吉岡 弘隆 - よしおか ひろたか

日本OSS推進フォーラム ステアリングコミッティ委員
OSDL Board of Directorsを歴任
カーネル読書会主宰

2000年6月、ミラクル・リナックスの創業に参加。
95年~98年、米国OracleにてOracle RDBMSの開発をおこなっていた。
98年にNetscapeのソースコード公開(Mozilla)に衝撃をうけ、オープンソースの世界に飛びこみ、ついには会社も立ち上げてしまう。
2008年6月取締役CTOを退任し一プログラマとなった。

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コミュニティ活動と仕事

先日、大手企業にお勤めの若手技術者の方とお話する機会があったのだが、上司がコミュニティ活動をバカにしていて正直、説得するのに疲れてしまったというような事を伺った。上司が「所詮コミュニティ活動なんていうのはサークル活動だろ」と全くその価値を認めてくれない、というような話であった。

コミュニティ活動をしたところで、自社の直接的な売上に結びつくわけでもなく、経費節約に直接貢献するわけでもないので、上司殿にとっては単なる無駄なアクティビティにしかみえないのだろう。とは言うものの、時間外にやっているわけであるから、ほっといてくれと思わなくもないが、その手の上司は、ほっとくのではなく、白い目でみるというか、良い顔をしないというか、露骨にイヤな顔をするらしい。

仕事の延長で、どんどんコミュニティ活動を奨励する会社は、そうは多くはないと思うが、もちろんなくはない。しかし大手企業で、そのコミュニティ活動の可能性に気がついて、それをビジネスプロセスにリンクしているという事例はほとんど聞いたことがない。まあ、奨励しなくてもいいから、せめて邪魔はしないで欲しいとは思う。若手の勢いを削ぐような事はなるべくならばしてほしくないと思う。

そこで、考えた。頭の固い中間管理職にコミュニティ活動の意義をどのようにして理解してもらうか。それを仕事の文脈で価値のあるものだという風にどのように理解してもらうか。別に無理して理解してもらう必要もないという立場もあるし、そーゆー頭の固い上司しかいない会社はとっとと見切りをつけて転職した方がいいという声も聞こえなくもないが、できることなら、ちゃんと説明して、理解してもらった方が双方の精神衛生上、よろしいのではと思う。

いろいろな勉強会に出て思うのだけど、こーゆーダイナミックな学習の場、知識の流通の場に、なぜ大企業の従業員はほとんど来ないのだろう、大変もったいないではないか、いらないお世話ながら本当に思う。もちろん大企業の方もいらっしゃることはいらしゃるのだけど、会社には内緒で、こっそり来ていたりして、もっとどうどうと来れる環境になった方が、楽しいのではないかと。会社にとっても個人にとっても、そっちの方が絶対健全だと思う。

仕事と勉強会がリンクすれば、大手をふって参加できるし、ひょっとしたら講師の立場で仕事として発表できるかもしれないし、そうすれば、それが業績にもなるかもしれないし、などなど思うのだけど、やはり、いらないお節介かな。

もちろん、従来の学会発表というのは、研究職の皆様にとっては、仕事としてプロフェッショナルな知識交換の場としてあることはあるのだけど、もっと最先端な、一方でどろくさいバッドノウハウとか、そこに真実が落ちているような運用の話とかは、学会や研究会という旧来型のプラットフォームでは全く拾いきれていないという実感がある。(情報系学会の研究会はもはや勉強会に負けている可能性が高い/jj1bdx: life beyond Japan)

Internet Week 2008 IT Community Impact! 〜世界を変える新たな潮流〜で、そのようなコミュニティ活動を実践されている主宰者の皆様と議論したのだが、そこに参加の皆さんは、コミュニティ活動の意義を肌で感じ実践されていて、暗黙的にその価値を共有しているので、逆説的ではあるが、その意義を陽に言葉で表現できていないように感じた。すなわち、その価値観を共有していない人達に届く言葉をわれわれはまだ発見していないのではないかと思った。

勉強会に来る人は来るし、来ない人は絶対来ない。この絶対来ない人達にわれわれのメッセージを伝えるにはどうしたらいいのだろうか。

高橋さんが早速記事にしてくれたが、メディアの露出を増すというのも時間はかかるが一つの手である。しかし、そのようなメディアですら十分ではない。(「草の根勉強会が世界を変える」---Internet Week 2008でコミュニティの“熱さ”を語るトラック)

はやり一人一人が上司を説得するしかないのだが、その方法論をわれわれはまだ発見していないような気がする。

割箸の袋にメモをした、いくつか試してみたい今日からできる方法。

1) コミュニティ活動によって得た成果を会社内で宣伝する
2) 参加したコミュニティ活動を上司に報告する
3) 上司をコミュニティに呼ぶ

大企業の中間管理職から上の世代は、80年代のメインフレーム全盛の時代に育った人達だから、必要な情報は全部社内にあって、社外活動の経験がほとんどないし、その必要性を理解していない。いないのであれば、どうにかこうにか、なだめすかしても、コミュニティに参加してもらって、それの虜にするしかない。時間がかかっても、それをやるしかないと思う。(時間の無駄とか言う人がいるけど、まあ、邪魔はしないで欲しいと思う)

まっちゃだいふくさんに教えてもらったのだが、IT Skill Standard V3のレベル7には「また当該テーマに関して、学会、テクニカルコミュニティ、講演等で発表することができる」というのが求められていて、今回のパネリストは、レベル7の要件の一つを軽々クリアしているのね、などと思った。

IT Skill Standardsを作る人々というのは、社外のエキスパートと共同で開発しているわけだけど、それこそブートストラップというか、それをはからずも実践して経験した人達である。その人達がコミュニティ活動の実践的意義について熱く語る伝道師になってくれれば制度的な面からのフォローもあっていいかもしれない。

カジュアルなコミュニケーション/ユメのチカラ

北東アジアOSS推進フォーラムでid:koyhogeこと小山さんが声たからかに発表していた、日本各地で勃発しているカジュアルな勉強会ムーブメントにすっぽり大企業の従業員が抜けている驚愕すべき事実。もちろん大企業にも例外的にセンスのいい人はすくなからずいることはいるのであるが(例えば、わたしのこのブログを見ている人、あなただ)、そーゆー人は必ずしもマジョリティではない。

経済産業省商務情報政策局長感謝状/ユメのチカラ

経済産業省として「IT産業の魅力の向上や将来のIT産業の人材育成などについて、企業、教育機関の枠組みを超えて活躍している専門家の活動は、単に関係者間の自主的な取り組みにとどまらず、経済産業省の展開する政策にもご貢献されるものであると認識」し、ついては「この分野でご活躍いただいている専門家の皆様に商務情報政策局長より感謝状を贈呈したい」とのことである。
今回、経済産業省として初めて「専門家コミュニティ活動」を表彰したらしい。昨日、経済産業省に出むき局長から直々に感謝状を頂いた。今回の対象者は独立行政法人情報処理推進機構からの推薦を受けた人々のようで、具体的にはITSS/UISS/ETSS等スキル標準の活動に貢献した方々、OSSの活動に貢献した人、そしてセキュリティ&プログラミングキャンプでの活動(わたしはこの分野)に貢献した人々からなる。

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コメント

勉強会とか、コミュニティ活動というのは、文士の交わりであって、信頼できる人脈作りという面もあります。
私自身それによって様々なコネを持つに至っています。
しかし、大企業では社内人脈だけで事足りてしまうことが多く、社外人脈の必要性を感じられないのではないでしょうか。

また、心根の狭い上司からすると、外の世界を知られると色々と都合が悪いのかもしれません。

金賞 
おめでとうございます。

コミュニティ活動については、確かに「遊び」だと言われてしまうことがあります。
ただ、同じ上司からコミュニティ活動で得られた情報を社内に流して欲しいとも言われますね。
ですから、企業側としてはコミュニティ活動自体の評価は低くても、情報は欲しいのです。

また、「自社の直接的な売上に結びつくわけでもなく」ということはないですね。
結果的に結び付けられなかったですが、別ルートとして受注のチャンスは何度もありましたから。

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