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プロフィール

吉岡 弘隆 - よしおか ひろたか

日本OSS推進フォーラム ステアリングコミッティ委員
OSDL Board of Directorsを歴任
カーネル読書会主宰

2000年6月、ミラクル・リナックスの創業に参加。
95年~98年、米国OracleにてOracle RDBMSの開発をおこなっていた。
98年にNetscapeのソースコード公開(Mozilla)に衝撃をうけ、オープンソースの世界に飛びこみ、ついには会社も立ち上げてしまう。
2008年6月取締役CTOを退任し一プログラマとなった。

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楽天テクノロジーカンファレンスに行ってきた。

カーネル読書会番外編ディストリビューション大集合@楽天テクノロジーカンファレンスに参加するために、楽天に行ってきた。今回はいろいろサプライズ(後述)があって、それはそれで楽しかったんだけど、ちょっと感想かなんかを記す。

勉強会メソッドとして、(1)質問をする、(2)懇親会でいろいろな人と繋りを持つというのがある。

米国でのワークショップなんかだと非常に活発に質疑応答があって、発表そのものより質疑応答の方が重要だったりする。ところが日本の場合は、講師が一方的にしゃべるだけで、質問時間がまったくなかったり、あっても実におざなり。そもそも質問する人もほとんどいなかったりする。

で、わたしは、そーゆーのは面白くないし、活発な議論からクレイジーなアイデアが生まれ、それがブレークスルの源泉になっていると思うので、可能な限り質問をするようにしている。また、そーゆー自由闊達な議論の場というのをこの地に根付かせたいと思っている。ちょっと大袈裟だけど。

ちゃんと話を聞いていれば疑問の一つや二つは絶対でてくるわけで、それを解消しないのは気持ち悪いというだけなんだけど、多くの人はそうじゃないのかな。むしろそっちの方が不思議だ。

まあ、とわ言うものの、そーゆー場での質疑応答の訓練をうけていないし、経験値が皆低いというのも事実なので、カーネル読書会などでは率先して、バカな質問をいろいろやっている。質問奨励の空気を醸造することに命を賭けている。いろいろな勉強会の場では、絶対質問するからねオーラをかもしだしていて、なるべく前の方に席をとって、それでは質疑応答の時間です、なんてことを司会の人が言ったら、はいはいはい、と元気よく挙手をするわたしの姿がみられることが多い。体を張って実現している。

そんなこんなで勉強会フリークの中では活発に議論や質疑応答をするのが新しい価値を創造するというコモンセンスが確実にうまれつつあって、実に喜ばしい。そしてそれを実践している人達がすくないけれども確実に増えつつあることも実感している。

質疑応答が実は一番楽しいんだよなあとか思ったりする。

そんでもって、今回楽天テクノロジーカンファレンスを半日楽しませていただいたのだが、いろいろなコミュニティのいろいろなお話を聞いたり見たりして、質疑応答楽しいよねという空気感が漂っていて素敵だった。皆さん、質問力重要です。質問してもおこられません。質問奨励です。

楽天テクノロジーカンファレンスの最後に三木谷さんと安武さんのトークセッションがあって、それが実にいい感じのやりとりで、会場の好感度アップという感じだった。自分的にもっともいいなあと思ったのは最後に会場からの質問タイムをとっていて、安武さんが、それでは会場から質問をつのりたいと思いますと言ったときに、一人の若者が元気よく、「はい」と挙手をした瞬間だった。500人の観衆がいるトークセッションでの質問というのは、質問力があってもなかなかそうは簡単ではない。それはわたし自身よく知っている。もちろんわたしも質問しようと思っていたのだが、電光石火1Getした若者に心のそこから拍手を送りたい。

彼こそ、gihyo.jp で「今こそ!勉強会」という連載を持っている鈴木さんだ。

1Getされてちょと悔しい気持半分、軽やかに勉強会メソッドを実践していることに、おぬしやはりタダモノではないなと思った気持半分である。

でもって、1getはできなかったのであるが、それでは次の質問どーぞの声がかかった瞬間躊躇なく「はい」と元気よくわたしも挙手。会場からは、よしおかさんが質問だあという微妙な空気が流れるのだけど、それはまあいい。昨年は撮影その他一切禁止だったのだが、今年はOKになったいきさつなどを伺った。((注:昨年は撮影その他一切禁止だった。http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20071124#p1))

その他、いくつか質問が出て、おおいい感じだなあと思った次第である。

余談ではあるが、質問というのは、質問時間が来てから考えるのではなく、講演などが始まる前から質問をする気で準備をしておくのである。アドリブの質問というのは、なかなか難しい。講演中に、ここは質問できるなあとか、いろいろ考えながら話を聞くのである。経験をつめば誰でもできる。

そして大人数での懇親会。ここでも、(2)のいろいろな人と繋りを持つメソッドを実践している人達がいっぱいいてうれしく思った次第である。いろいろな人が、よしおかさん名刺交換してくださいとおっしゃてくれたし、勉強会メソッドの着実な、そしてしっかりした浸透を実感した次第である。

で結局、勉強会を通じて何が嬉しいっていって、いろいろな人と繋りを持てて、技術的なヨタ話をして、わいわい飲み会をして、そして、それに価値を持つという人が少しづつだけど確実に増えているという点だ。

先日の勉強会大集合もそうだし、今回のディストリビューション大集合も、一人一人、個性豊かな人が自分の言葉で語ってくれて、そーゆー人達と繋りを持てたということが自分の宝ものでもあるなあと再確認をした。

日本という地の閉塞感を打破するような何がしかがこの勉強会的なゆるい繋がりにあると思う。それを多くの人達と共有できているのがとても嬉しい。

そして、楽天テクノロジーカンファレンスの自分にとっての最大のサプライズが、楽天テクノロジーアワード金賞の受賞である。前日事務局からメールで連絡があったのだが、当然ディストビューション大集合の打ち合わせの件かと思っていて、あやうくスルーをするところであった。(あぶないあぶない)

しかも金銀ルビー賞って、金銀パールプレゼント♪のパクリかよとか思わせる実に絶妙なノリである。金賞受賞というのを伺ったのが、当日の発表の直前で完全に出し抜かれたという感じである。

今年一年もっとも技術的な貢献のあった団体ないし個人に贈る賞とのことなのであるが、どう考えても技術的な貢献はないので、何かの間違いではないだろうかと思ったのだが気がつくとよくわからないまま受賞していた。この賞は、何かに応募して取るというものではないので、わたし自身狐につままれた感じである。先日の経済産業省商務情報政策局長感謝状もサプライズであったが、それに勝るとも劣らないサプライズである。今年はブログのネタにことかかないなあ。(不謹慎ですいません)

ただ、時代の閉塞感を打破する突破口としての勉強会とそこに集う技術者をどのようにビジネスに繋ぐのか、そのような課題を三木谷さんに申し上げる機会を持てたことは、わたし自身の細やかな喜びでもある。懇親会では緊張のあまりビールもそれほど飲めなかったが、多くの人達に喜んでもらえたのは嬉しかった。

最後にはなるが今回の楽天テクノロジーカンファレンスを主催した楽天のスタッフ、事務局の皆様に感謝したい。声をかけてくれた、安武さん、事務局の森さん、ディストリビューション大集合でいろいろわれわれサイドの無理難題をせいいっぱい調整してくれた橘さん、三條さん、そしてアテンドの波多野さん、勉強会などでよくご一緒する荻原さん、一人一人の魂のこもった大変素晴しいカンファレンスでした、記して感謝の気持としたい。いい意味で予想を裏切られた。ありがとうございました。

追記:12月1日、楽天テクノロジーアワード第1回受賞者にカーネル読書会の吉岡弘隆氏ら http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081201/320436/

楽天テクノロジーカンファレンス2008

プログラムの案内が来たので下記に掲載する。わたしは、「ディストリビューション大集合のご案内」で記したとおり、C会場コミュニティセッションl(Linux)のモデレータ、進行役をやる。多数のご参加を待つ。(参加申し込みはhttps://www.rakuten.co.jp/event/techconf/2008/ でお願いします)

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『楽天テクノロジーカンファレンス2008』

■開催概要
       日 時:2008年11月29日(土)
              カンファレンス 13:00-18:30(受付開始 12:00)
              懇親会         19:00開始予定

■会場     楽天株式会社  『品川シーサイド楽天タワー』

※『品川シーサイド楽天タワー』のご紹介
     【地図情報URL】
       http://www.rakuten.co.jp/info/map/shinagawa.html
     【住所】
       〒140-0002  東京都品川区東品川4丁目12番3号
       品川シーサイド楽天タワー
     【交通アクセス】
       ○りんかい線品川シーサイド駅(C出口)より徒歩1分
         (品川シーサイド駅より連結)
       ○京急青物横丁駅より徒歩7分

■ご来場時の注意事項
       1. 受付で名刺を2枚お渡し下さい。(お預かり分/名札用)
       2. 上着、お荷物等をお預かりするクロークはございません。
       3. 全館禁煙のため、一時外出時は専用の受付にて名札と引き換えに
          再入場用の引換券をお渡しします。

■プログラム(予定)

13:00  オープニング
        開会挨拶  杉原章郎(楽天株式会社 取締役常務執行役員開発部長)
        基調講演  まつもとゆきひろ(楽天技術研究所フェロー)
        招待講演  最首英裕様(RBC会長/株式会社イーシー・ワン 代表取締役社長)

(A会場)
14:00  Rakuten Geek
        - Webサービス
        - チェックアウトプロジェクト
        - レコメンド&パーソナライゼーション

14:55  ROMA&fairy
        - 大規模分散メモリストレージ ROMA
        - 分散処理フレームワーク fairy

15:50  Rakuten Global Infra
        - 楽天のサービスを支えるインフラ
        - 国際展開をささえる技術
        - neXtgen

16:45  Rakuten Next Revolution
        - 楽天の今後の開発戦略
        - 開発者のためのフィールド
        - ジャングル Engineer's Revolution

17:40  楽天テクノロジーアワード
         記念講演
           楽天株式会社 代表取締役会長兼社長
                         三木谷 浩史

(B会場)
14:00  コミュニティセッション(PHP)
        - 出張PHP勉強会

15:50  コミュニティセッション(Ruby)
        - Rails勉強会@東京 第35回

(C会場)
14:15  コミュニティセッション(Linux)
        - カーネル読書会番外編
            ディストリビューション大集合

16:05  Next Movement in Communication

■お問い合わせ先
楽天株式会社  - Rakuten,Inc. -
テクノロジーカンファレンス2008事務局
E-mail:info-tc2008@mail.rakuten.co.jp

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カジュアルなコミュニケーション

昨日はTLF (The Linux Foundation)シンポジウムだったのだけど、仕事にはまっていて、キャンセルしてしまった(残念)。そしたら@itoh_bmarkからTwitterで体育館の裏までちょっと来いみたいな感じで呼びだされ、気がつくとTLFの懇親会会場にいた。セミナー本体にはいかないで、懇親会だけに居るというのも、どーよという感じがしなくもないが、重要な話は懇親会でされるという「宴会第二の法則」のとおり、その日も非常に示唆に富むお話が満載であった。

来年のLinux Kernel Summitをカーネル読書会がハイジャックするという件は、各所から非公式に打診されていて、がんばります。はい。

懇親会で、TLFのスポンサー企業の皆様とお話していて、よしおかさんたまにはブログ書いてくださいよとお願いされる。あれ、「はてな」の日記書いてますよ、と言うと、会社からは「はてな」ブロックされていて読めないので、面白い話は会社のブログで書いてほしいそうである。聞いてみると、はてなだけじゃなくて、mixi、ニコ動、YouTube、Twitter、Wassr、Skypeみんなだめ、全然だめだそうだ。あちゃ。そうですか。それは厳しい。

そー言えば今思いだしたのだけど、MID(Mobile Internet Device)のUI(User Interface)のデモをYouTubeにあげていて、それを見てくださいと、ある会社の人に言ったら、会社からは見れませんとか言われた件。たかが30秒くらいのデモを弊社ftpサイトにあげて、あーだこーだというのも大袈裟すぎてカジュアルなコミュニケーションできないよなあとその時に思った次第である。

Skypeで電話会議しましょう、なんてこともできないので、バカ高い電話会議システムを使わなくちゃいけなくて経費的にもいかがなものかと思ったこともある。

それはそうと、昨日は、会社でしこしことカーネルビルド(一応仕事もしています)なんかをしていたら、Twitterとかで呼びだされちゃうわけで、もはやメールですらない、カジュアルなコミュニケーションの輪という現実があって、会社ごとぶったぎられている大企業のコンプライアンスがちがちのインターネット環境からは想像もつかないものがあると思う。

北東アジアOSS推進フォーラムでid:koyhogeこと小山さんが声たからかに発表していた、日本各地で勃発しているカジュアルな勉強会ムーブメントにすっぽり大企業の従業員が抜けている驚愕すべき事実。もちろん大企業にも例外的にセンスのいい人はすくなからずいることはいるのであるが(例えば、わたしのこのブログを見ている人、あなただ)、そーゆー人は必ずしもマジョリティではない。

世界的な発明である「今夜飲み行けるよ!」ボタンとか、世界最先端のWebサービスの恩恵をまったく受けられないインターネットの孤島にいる人達。いらないおせっかいなんだけど、ちょっとヤバいなと思った次第である。

大企業の情報隔差というパラドクスは、ぜひNHKあたりに取材してほしいネタでもある。

http://hatena.ne.jp/
http://wassr.jp/
http://twitter.com/

日本は世界一コミュニティ活動が盛んな国?  http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20081107/318749/

ディストリビューション大集合のご案内

カーネル読書会の番外編として、フリーのディストリビューション開発者が大集合して、それぞれのディスリビューションの特徴、コミュニティ活動などを紹介していただくイベントを企画した。横の繋がり、情報共有をすることにより、ディトリビューション共通の悩みとか問題・課題とか活動について議論する。開発者が幸せになるための方法論とは。あるいはディストリビューション開発に参加する方法などについて語っていただく。

最近の空前の勉強会ブームにもかかわらづ、フリーのLinuxディストリビューションの開発の現場の顔が見えないような印象をわたしは持つのだが、今回、日本でフリーのディストリビューション開発にかかわっておられる方々をお呼びしてその現状を生々しく語っていただく。

参加予定プロジェクト(順不同、変更の可能性もある)

slax-ja, Momonga Project, Ubuntu Japanese Team, Gentoo Linux Users Group Japan, Project Vine, openSUSE, Debian JP Project, The CentOS Project,

司会進行、よしおかひろたか(カーネル読書会、ミラクル・リナックス株式会社)

このイベントは下記の楽天テクノロジーカンファレンスの一つのセッションとして開催される。従って参加希望者は楽天テクノロジーカンファレンスへ参加登録をしてください。

日時:11月29日、13時開始、
場所:品川シーサイド楽天タワー
料金:無料

またこの案内文は転送自由ですので、知り合い、友人、会社の同僚などに自由に転送、告知してください。

=====案内文はじめ========================================
────────────────────────────────────
技術コミュニティ活動にご参加の皆様へ

オープンソースをはじめとする各種技術コミュニティでご活躍の皆様におきましては、インターネット上のサービスへの各種貢献に感謝申し上げます。

この度、弊社では技術コミュニティの皆様への感謝と今後の発展の一助とすべく、テクノロジーカンファレンスの開催を決定いたしました。

本イベントを技術コミュニティの皆様同士の交流と技術情報の交換・議論に役立てていただきたいと考えております。

つきましては、開催と参加登録の情報をご案内申し上げます。

詳細については決まってない点が多くございますが、現在各方面のご協力を頂きつつ進めております。プログラムの詳細は参加登録いただいた方へ、11月21日(金)までにご案内さしあげる予定です。

現時点でお知らせできる内容が少なくて恐縮ですが、コミュニティの皆様の参加を歓迎したく、まずは皆様のご予定に加えていただきたく、ご連絡させていただきます。

                    楽天テクノロジーカンファレンス運営事務局
                      森正弥(楽天技術研究所)
                      橘俊男(開発部  アーキテクトグループ)

===============================================================
<<ご案内>>

●イベント名
  『楽天テクノロジーカンファレンス2008』 

●開催日時
    2008年11月29日(土)
    12時:受付開始、13時:開演、18時30分:懇親会開始

●参加登録方法

  以下のURLよりお申し込みください。
https://www.rakuten.co.jp/event/techconf/2008/eea0897aa071a84f082a2d428607701b.html
  (個人情報取り扱いポリシーについては、 http://privacy.rakuten.co.jp/ をご参照ください)

●内容(予定)

      ・基調講演(Ruby開発者  楽天技術研究所フェロー  まつもとゆきひろ)
      ・招待講演(RBC  会長  最首英裕 氏)
      ・楽天における技術活用紹介
         国際開発の取り組み
     オープンソース開発の取り組み
     楽天技術研究所の研究開発の取り組み
      ・技術コミュニティ毎のセッション
         Ruby,PHP,Linux
      ・懇親会

●場所    楽天株式会社  『品川シーサイド楽天タワー※』4F

  ※『品川シーサイド楽天タワー』のご紹介
      【地図情報URL】
        http://www.rakuten.co.jp/info/map/shinagawa.html
      【住所】
        〒140-0002  東京都品川区東品川4丁目12番3号
        品川シーサイド楽天タワー
      【交通アクセス】
        ○りんかい線品川シーサイド駅(C出口)より徒歩1分
          (品川シーサイド駅より連結)
        ○京急青物横丁駅より徒歩7分

皆様のご登録をお待ちいたしております。

*────────────────────*
  楽天株式会社  - Rakuten,Inc. -
  テクノロジーカンファレンス2008事務局
  E-mail:info-tc2008@mail.rakuten.co.jp
*────────────────────*
=====案内文おわり========================================

経済産業省商務情報政策局長感謝状

09250001_3

ひょんなことから経済産業省商務情報政策局長から感謝状を頂いた。わたしの年代だとお相撲の優勝者が航空会社の日本支社長(外国の方)から「ひょっうしょぅじょ〜ぅ」というのを懐しく思いだすのであるが、まあ、誰かから賞状を貰うのなんていうのは小学校以来と言っても過言ではない。

経済産業省として「IT産業の魅力の向上や将来のIT産業の人材育成などについて、企業、教育機関の枠組みを超えて活躍している専門家の活動は、単に関係者間の自主的な取り組みにとどまらず、経済産業省の展開する政策にもご貢献されるものであると認識」し、ついては「この分野でご活躍いただいている専門家の皆様に商務情報政策局長より感謝状を贈呈したい」とのことである。

Meti080924kanshajou29今回、経済産業省として初めて「専門家コミュニティ活動」を表彰したらしい。昨日、経済産業省に出むき局長から直々に感謝状を頂いた。今回の対象者は独立行政法人情報処理推進機構からの推薦を受けた人々のようで、具体的にはITSS/UISS/ETSS等スキル標準の活動に貢献した方々、OSSの活動に貢献した人、そしてセキュリティ&プログラミングキャンプでの活動(わたしはこの分野)に貢献した人々からなる。

感謝状の文言は以下のとおり。

感謝状
  吉岡弘隆殿

貴殿は経済産業省及び独立行政法人情報処理推進機構の人材育成政策に深い理解を示し我が国情報サービス産業の魅力向上や将来を担う人材育成のためその発展に寄与する活動に多大な貢献をされました
よってここに感謝の意を表します

平成二十年九月二十四日
経済産業省
商務情報政策局長       近藤賢二

授与式のあと、今回の受賞者の皆様と局長と歓談する機会があった。OSS分野で感謝状を受けた日立製作所の鈴木さんが口火をきって歓談がはじまった。スキルスタンダートを作成したアクセンチュアの杉山さんが、会社の枠を越えたプロフェッショナルコミュニティに参加できたという印象を語っておられたが、まさに同感である。また早期IT人材の発掘(セキュリティ&プログラミングキャンプやU-20プログラミングコンテストなど)についても、若い人にITに興味をもってもらうことの重要性などをお話しした。例えばロボコンとか鳥人間コンテストなどに代表される技術に興味を持つ層を広げるイベントなどについてもいろいろアイデアを練っていく必要があると思う。

一方で、会社の枠を越えた知識の流通という意味で、標準化あるいは言語化が難しい暗黙知の流通は、人の流動化によってのみ達成できる。業界全体のレベルアップのためには人材の流動化が担保される必要がある。もちろんプロフェッショナルコミュニティを活性化することによって、知識の流通は加速されるであろうが、暗黙知は多くの場合、属人的なもので、それの流通には人の交流というのが欠かせない。すなわち、自主的に交流することは、どんどん勝手に民間がやればいいのであるが、人材流通に対する制度設計、政策立案などは、政府の力が必要となる。というような事を申し上げた。

今回の受賞者のほとんどは初対面の方だったので、さっそく名刺交換をさせていただき、これをきっかけに何らかの繋がりができれば望外の喜びである。Meti080924kanshajou62

memcached Night in Tokyo #1

先日開催された memcached Night in Tokyo #1 というのに参加してきた。

http://groups.google.com/group/memcached-ja/web/memcached-night-in-tokyo-1

夕方6時開催という昨今の勉強会としては早めの開始時刻なので、あたふたと会社を出た。場所は原宿である。おされな場所である。浮足立つ。ということはどうでも良くて会場であるmixiに初めていったのだが綺麗なオフィスであった。

memcachedというのは、データベースに対する分散メモリキャッシュ技術みたいなもので昨今のWebではよく利用されている。国内ではmixiでの事例がよく知られている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/Memcached

この話を初めて聞いたとき、うーん随分乱暴な話だな、RDBMSでやるべき仕事だろ、そーゆーことはと思った。由緒正しいRDBMSではこーゆーのはいかんだろう的なことを思った。しかし発想の転換というかちょっとしたハックというか、実際memcachedのソースコードは6千行位のきわめてシンプルな実装になっていて、MySQLとかスケールしねーよなあとか思っていたハッカーが自分の問題を素早く解決するために作ちゃったという感じなんだろうな、などとも思う。作ってみたら思いのほかいい感じで使いやすくて、どんどん適用事例も生まれ、ソースコードもオープンなので、米国あたりのWeb2.0系企業でがしがし使われるようになったと。

昨今OSやらRDBMSやらアプリケーションサーバやらWebサーバやらありとあらゆるものがオープンソースなので、どこで問題を最適化してもよくてRDBMSの上にちょっとしたキャッシュをおいて擬似的に高速化をはかってみたというのがmemcachedなのだろうなと思う。

mixiでは135台のmemcachedサーバを利用していて(この数もすごいな、国内最大級かな)、メモリを3GBほどわりあてているらしい。マシンはPentium 4との事なので発熱とかもすごそうな気がする。

KLABの安井さんのお話はmemcachedのreplicationだった。memcachedはシステムが死ぬとデータが消失するので、リプリケートをして永続性を持たせたいなあというお話である。永続性とかフェールオーバーとか信頼性とか、そーゆー事を言いだすと、話がどんどん複雑になるのでmemcachedとは相性が悪いのではないだろうかと思うのだけど、どうなんだろう。この手の話も昔からあって、本当の信頼性を求めるなら完全二重化とか、そーゆー話になるのだけど、コストと拡張性のバランスも必要で、さらにはスケーラビリティをどうするかという問題もあって難しい。また非同期の更新だとどうしても原子性をどう担保するかという問題もある。いっそのこと楽観的にやっちゃて、矛盾が発生したらリトライという感じでもいいのかもしれない。

すずききよたか(kiyotaka)さんのお話はmemcachedの利用をいろいろな角度からしていた。まあ、消える可能性のある汎用DBというのは言いえて妙である。Solarisで運用しているので、Solarisのお友達を募集していた。困っている事を自分から晒すというのは勉強会メソッドとしては黄金のパターンかと思う。そして同志と出あう。memcachedを使っているだけではなくSolarisで使っているという同志の結束は固そうに見えた。

mixiの長野(kazeburo)さんは大規模事例で、特にがりがりチューニングをしているという感じではなかった。

はてなの田中(stanaka)さん、30台のcore2 quad メモリ8GBで運用している。それぞれにはXenでmemcachedサーバとアプリケーションサーバを起動しているらしい。こちらも特にチューニングしているという感じではなかった。

mixiの前坂(tmaesaka)さんはmemcached Binary Protocolの解説である。こーゆープロトコルの設計の話は好きだ。速度命だし。テキストのプロトコルだとパースデコードのコストがかかるのであらかじめ定義したバイナリのプロトコルで高速化をはかろうというお話である。バイナリプロトコルであればインジェクションは簡単ではないのでセキュリティ向上にもつながるよ。

固定長のヘッダ(16バイト)+可変長のオマケのフィールドというデータ構造になっている。

http://code.sixapart.com/svn/memcached/branches/binary/server/doc/protocol-binary.txt

opcodeが1バイトなので要素256個の配列で命令実行ルーチンが書ける。デコードのコストは表引きだ。これがASCIIテキストだとstrcmp(command,"hogehoge")みたいなものを延々コマンドの数だけ書くはめになって、コマンドの数に比例したデコードコストがかかったりする。(まあパーフェクトハッシュ関数とか書けばいいのだがカジュアルに命令を追加したりとかはいろいろ面倒なので、結局はstrcmpで延々比較という泥仕事になる)

opcodeを固定長にするというのは王道中の王道のテクニックである。CISCに対するRISC的なアプローチと言ってもさしつかえない。

まあ、そんなことを思ったのだが、この手の古典的な高速化のテクニックというのは昔からずうっと変化していなくて、再発見、再発明が延々繰替えされているような気もする。

温故知新なのである。

でもって現在の実装についてちゃんとoprofileとかでミクロのプロファイリングを取って、チューニングをはじめたという事ではなく、なんとなく直観でぐわっとやっているらしい。まあ、それでもいいっちゃいいのだけど、ちゃんとベンチマークを定義して、oprofileなどでプロファイリングをして、ボトルネックを数字で示し、チューニング大会をするというのが正しい大人の姿である。

いろいろ設定準備とか大変だとは思うが、一度そのような環境を構築してしまえば、開発の最中、運用時等々貴重なデータを入手でき、パフォーマンスデバッグ(チューニング)のインフラになる。開発のプロセスに組込むというお作法は重要だ。なかなか実践するのは難しいが。

プロファイリングしてチューニングをする。王道中の王道だ。

まあ、こーゆーことをお酒を飲みながら、わいわいがやがや語るというのも勉強会の醍醐味でもある。

おまけ:

ソースコードはgithubで公開されているのでためしにゲットしてみた。

$ time git-clone git://github.com/tmaesaka/memcached.git
Initialized empty Git repository in /proj/memcached/.git/
remote: Counting objects: 1602, done.
remote: Compressing objects: 100% (472/472), done.
remote: Total 1602 (delta 1161), reused 1537 (delta 1108)
Receiving objects: 100% (1602/1602), 592.77 KiB | 237 KiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (1161/1161), done.

real    0m4.901s
user    0m0.612s
sys    0m0.084s

memcached.c の dispatch_bin_command() はバイナリプロトコルのディスパッチルーチンであるが、だめじゃん。

switch(c->cmd) {
    case PROTOCOL_BINARY_CMD_VERSION:

とかしている。ここは表引きだろう。しかもc->cmdの定義はuint8_tではない。だめじゃん。深入りしないことにした。

プログラマ35歳定年(停年)説

わたしに不用意にふってはいけないネタとして、プログラマ35歳定年(停年)説というのがある。飲み会かなにかの席でなにげなく、そのような話題を出し、延々聞きたくもない話を聞かされた被害者の方も少なくない。

血圧があがるネタである。

誰がいつごろからそんな事を言ったのだろう。

まあ、それはともかく、プログラマといってもいろいろあるわけで情報技術(IT)という分野も話している人によって全然違う話しをしているのに、双方とも気がついていなくて延々すれ違いの議論をするということも多い。

例えば、ITについても、(1)OSとかコンパイラとかRDBMSとかいわゆる基盤系技術、(2)エンタープライズ系(企業の情報システムとか)、(3)ミッションクリティカル系(勘定系、社会基盤系(電力送電網)とか)、(4)Webサービス系(Web2.0?)、(5)組込系(いろいろ)、などなど種々雑多ある。

またビジネス形態としても、(a)ソフトウェア製品開発、販売、(b)SI(受託開発)、(c)コンサルティング、(d)運用サービス、サポート、(e)Webサービス(Web2.0?)等々これまたいろいろある。

日本にはマイクロソフトとかOracleみたいな基盤系のソフトウェア製品開発販売の専業ベンダーというのはほとんどなくて、大手ハードウェアメーカがハードウェア販売のおまけ(?)みたいな感じで細々と商売をしていたりする。

そーするとだ、RDBMSを作りたいとかOSを作りたいと思った若者は、当該製品を作っている主に外資系に就職するくらいしか選択肢がなかったわけだ。大手ハードウェアメーカに就職しても商品としてのOSとかRDBMSの開発はほとんどやっていないので自分のやりたいことはできない。

昨今だとLinuxやMySQL/PostgreSQLなどオープンソースソフトウェアのおかげで別に大手ベンダーなり外資系ベンダーなりに就職しなくても、意欲さえあれば自分でがんがんコードを書くことは可能になった。

わたしのキャリアは1-aのパターンで、それ以外のところには正直土地勘がない。デスマーチの大規模エンタープライズ案件の修羅場とかはくぐったことがないので実状はどうなのかよくわからない。

最近はmixi、モバゲー、ニコ動などWebサービス系の開発現場のお話を聞く機会が多いのだが、その開発スタイルというのはウォーターフォールモデルとは全くことなる原理原則で開発されていて、それはそれで大変興味深い。

SIなんかは多重下請け構造みたいなのに組みこまれてしまうと単価勝負の世界になって人月いくらという話になるというのは理屈ではわかる。でもそれって経営者が、そーゆー判断したんじゃね?経営の問題じゃね?とか思う。

そーするとやはり案件ごとの受託開発よりも自社開発のソフトウェア製品開発とかWebサービス、あるいは運営サービス、サポートなんかの方が自社の強み特長をいかせておもしろいような気がする。

技術についても基盤系であればかなり蓄積が効くし、経験のつみかさねが強みになる。

そんでもって35歳停年説にもどるのだが、わたしがシリコンバレーに行ったのは36歳で、コードを書きまくったのが30代後半だった。未踏ソフトウェアは44歳、Cache Pollution Aware Patchは46歳、取締役退任。生涯一プログラマ宣言は49歳。そしてこの9月4日で50歳だ。

年齢は関係ない。限界を決めるのは自分だ。

Do not limit your self.

注記:定年の表記に関しては当初は停年と記していましたが、定年の方が一般的なようなので、そのようにしました。

未踏ソフトウェア奮闘記
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/NSW/ITARTICLE/20030619/1/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/NSW/ITARTICLE/20030619/2/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/NSW/ITARTICLE/20030709/1/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/NSW/ITARTICLE/20030709/2/

Linux Kernel 2.6.18とCache Pollution Aware Patch/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2006/09/linux_kernel_26_2c2c.html

エンジニアの未来サミット
http://gihyo.jp/news/report/01/engineer
http://gihyo.jp/event/2008/engineer
パネリストとして参加します。

創刊号巻頭座談会「エンジニアのマインドとは」~ボーナストラック
#3 座談会「エンジニアのマインドとは」
http://gihyo.jp/dev/serial/01/talks-bt/0003?page=2

LL Future

週末LL Futureに行ってきた。朝の10時から夜9時まで11時間の長丁場である。参加するだけでもヘロヘロなのだから裏方の実行委員や発表者の皆様のご苦労は大変なものだろう。感謝。

わたしがこの夏のLLイベントにはじめて参加したのはLL Ring (2006)からで、昨年のLL Sprits(2007)、そして今回のLL Future (2008)というような感じである。

基調講演はPerlのLarry Wallである。Perl 6のお話をするのだけど、言語そのものの拡張機能をビルトインするらしい。うは、Lisp的な。しかし、ふつーの利用者は、言語の文法を拡張したいのだろうか?シンタックスをばりばり変更拡張して、俺様言語を作るというのをふつーの利用者は望んでいるのだろうか。

うーむ。よくわからない。むしろ言語設計者の役割は、様々なプログラミング言語のアイデアを絶妙なバランスで取捨選択して、デフォルトとしてふつーの利用者に提供するのがお仕事なのではないだろうか。

昔のプログラミング言語は会議室で設計された。FORTRANもCOBOLもAdaもLispですら標準化委員会で設計された。LLの場合は、そうではなくて一人あるいは少数のハッカーによってコアが設計された。PythonもPerlもRubyもそうである。

Perlの力はCPANのようなコミュニティが開発した豊富なライブラリにある。言語は、それらの膨大なライブラリによってささえられている。であるとするならば、文法の独自拡張は、そのコミュニティを分断することになるのではないかと思ったりする。つまりXXの機能を利用するためにYYという文法定義が必要で、それが従来のZZとコンフリクトするので素直には利用できない。ライブラリやパッケージでも同様な問題はおきなくはないが、文法は通常一緒なので最悪コピペ的に回避することは不可能ではないが、文法をいじってしまうと、それも簡単ではない。

言語の拡張可能性というのは昔からとりざたされている機能ではあるが、実用的な観点からは大きな?マークである。

動的言語はおおかれすくなかれeval的ななにがしかを持っているので拡張可能性を持っているのだが言語要素そのものを自由に追加、変更できるというのは、バザールモデル的にはあんまりお得ではないような感じがする。

最近は言語仕様についてもバザール的にわいわい開発するモデルが主流になりつつあるので、特にそう思ったりする。

「LLで未来を発明する」パネルディスカッション。参加者はLarry Wall、まつもとゆきひろ、藤田善勝、住井英二郎、ひげぽん。

未来の話はほとんどでてこなくて、かと言って何かびっくりするくらいクレージーな話でもなく凡庸(?)なお話になっていた。問題設定が100年後の未来という事であったので、そんなのわかんねーよというのが普通の感覚なので、10年後の未来とかあるいは6分後の未来とかの方が話が盛り上ったのではないかと思った。

それこそコンピュータアーキテクチャがノイマン型(プログラム内蔵方式のコンピュータ)であるならば、どっかのレベルではメモリという概念が必要になってきて、関数型のOSやらshellを用意したところで、どうしてもC的なレイヤがでてくる。

ふつーの人がプログラミングしないなんていうのは昔から言われているわけで、いまだってふつーの人はプログラミングしない社会である。

そうではなくて今後のコンピュータを作る人がどのようなプログラミングモデルを必要としているのか、ぐらいのことは語ってほしかったぞと強く思ったパネルディスカッションである。

その後、いろいろと興味深いパネルが続くのであるがまじめなセッションよりもコードゴルフとかおなじみのライトニングトークとかの方が楽しめた。

しかし、プログラミング言語のイベントに1000人も集まってしまうなんて異常だ。いったいどーゆー事だ。しかも朝から晩まで11時間も数百人の人達がわいわいがやがや楽しげにやっているなんて、すごいすごい。

日本はじまったな。

11時間にわたる長丁場お疲れさまでした、そしてありがとうございました>参加者の皆さん

OSC2008名古屋に行ってきた

OSC2008名古屋に行ってきた。ミラクル・リナックスのブース展示をしていたので、あまりコミュニティの方達とじっくりはお話ができなかったが、それでも前夜祭や懇親会でいろいろな方とお話させていただきうれしかった。
http://www.ospn.jp/osc2008-nagoya/

OSCの実行委員長の河合さんをはじめとしてスタッフの暖かいおもてなしが素敵だった。手羽先も旨かったしビールも旨かった。浴衣姿のきさいちさん、お美しい。

勉強会大集合のセッションに出たのだけど、名古屋の勉強会熱いぞ。すごく熱いぞ。わたしの「初めての勉強会」の読者の方もいて、「名古屋が出ていないじゃないですか」と突っ込まれた。確かにそうだったので、あらためでIT勉強会カレンダーで名古屋開催の勉強会を数えてみたら、あるある、いっぱいあるある。すごいすごい。7月だけでも21回も開催されている。まいりました。愛知というのもいれると22回だ。

CSNagoyaの松本さんは、「カーネル読書会に影響されて勉強会はじめたんです」と熱く語ってくれた。ビールも旨かったが、その言葉が嬉しかった。

勉強会開催というのが実はそれほど難しいことではなく(実際、思っているより遥かに簡単だ)、カジュアルに日本全国津々浦々で、どんどん開催されるということはとっても素敵なことだと思う。

来年も行きたいなあと思った。懇親会のあとの二次会、三次会に参加するためにはもう一泊必要だな。

プログラミングキャンプ

この夏、8月13日から17日まで、セキュリティ&プログラミングキャンプ2008というの企画した。わたしも講師の一人として、プログラミングキャンプに参加する。

セキュリティ&プログラミングキャンプ2008 http://www.jipdec.jp/camp/
セキュリティ&プログラミングキャンプ2008/ユメのチカラ http://blog.miraclelinux.com/yume/2008/06/2008-7e81.html

わたしのやりたい事。プログラムの楽しさを少しでも若い世代に伝え、仲間を少しでも増し、プログラマがプログラマとしての専門性をいかし生き生きと豊かにおくれる社会をつくること。

高度ICTリーダー論/shi3mの日記http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20080807/1218068383

もっと若い相手、たとえば高校生や大学1,2年生などを対象に、もっと幅広い講師を呼んで講演会を開き、刺激を与えた方が「真のトップノッチ」育成には役立つのではないか。

まさにプログラミングキャンプはそのような明確な意図のもと合宿形式でトップノッチの発掘、養成をめざしている。

それにはどのようなカリキュラム(プログラム)がよいのか、今年は初めてなので文字通り試行錯誤の連続である。

わたしは、デバッグの方法、コードリーディング、プログラミング入門をうけもつが、シラバスを作り、プレゼン資料、実習問題、デモの準備など、正直いってへろへろである。はたしてこのような問題設定でよいのか、はたしてこのような教材でいいのか、そもそも、このカリキュラムでいいのか、そのようなことを自問自答しながら七転八倒し教材を作成した。

まだ実際の講義をしていないので、何とも言えないのだが、講義という学生とのコラボレーションでわたしも多くのことを学ぶだろうし、多くのことを経験するだろう。そしてそのフィードバックは次に生かしていくつもりである。

単にプログラマとしてひいでているだけではなく、コミュニティのリーダとして人々に信頼され、尊敬されるような人材と巡り会いたい。養成とか育成とか、そのような上から目線ではなく、可能性を持つ人々を発掘し、生き生きとその才能を開花させるような環境を作りたい。

そのためにはその中間地点として、彼らがその才能を十二分に発揮できる環境を作るのがわれわれ大人の仕事で、それは具体的には、彼等を雇用できるようなビジネスを創出することが最ももとめられていることである。

Googleに多くの若い才能が結集しているのは、それは我々が十分彼らの才能を生かす仕事場を提供していないからである。日本のタレントを流出させているのは、我々がそのプレイグラウンドを提供していないからである。

その意味で、id:mkusunok の指摘は正しいと思うが、
geek虎の穴をつくろう/雑種路線でいこう http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080807/ito

恐らく優秀なプログラマーなら日本にも少なからずいる訳で、私塾ではgeekに対してグローバルな視座や搾取されないだけのビジネススキルを獲得できる機会を提供し、geekだけでなく、彼らが活躍できる環境を整えることのできるようなサポーター、具体的には優れたビジネスマネージャやマーケティング、政策立案者も育てる必要がある。手をつけられそうなところから具体的なカタチにしていきたい。

育てるだけではなく、そのような社会環境を作るのが我々の仕事である。今まさに楠さんや清水さんにはそのような役割が求められているのである。

第89回カーネル読書会

第89回カーネル読書会のおしらせ

日時:08月22日、18時半開場、19時ころ開始

お題: Ottawa Linux Symposium 2008出張報告
発表者: 中村(日立ソフトウェアエンジニアリング)さん、須崎(産業技術総合研究所)さん、吉藤(Usagi Project)さん、大和さん(ミラクル・リナックス)、海外(NEC)さん(順不同)飛び入り発表歓迎です。
内容: OLS2008参加の皆様に今年度のOLSについてお土産話をしていただきます。技術的なことから、単なるオタワ旅行記まで、硬軟とりまぜ、ざっくばらんに語っていただきます。

18:30頃、開場、LTないし自己紹介など
19:00頃、お題開始
20:00頃、懇親会開始

場所は楽天タワー
http://www.rakuten.co.jp/info/map/shinagawa.html
●りんかい線「品川シーサイド駅」出口Cより徒歩1分
(1-minute walk from SHINAGAWA SEASIDE Station, RINKAI LINE)

●京浜急行線「青物横丁駅」より徒歩7分
(7-minute walk from AOMONO-YOKOCHO Station, KEIHIN-KYUKO LINE)

会場の都合上、18:30より以前には開場しませんので、ご注意ください。また受付の都合のため、なるべく遅刻のないようにお願いいたします。

開場した後は、だらだらと自己紹介やら小ネタやらをやりますので、時間の許す限り早めに来た方が面白いお話をきけるかもしれません。

会場で、ピザとビールの懇親会つき。(予定価格1500円。微妙に値上がり中)懇親会参加希望の方は、懇親会参加と明記してください。
学生さんは無料なのでそれも明記してください。

会場の都合で80名で締切ます。

なおセミナー内容につきましては、にこにこ動画などで配信予定です。ustream.tvでのインターネット中継も可能であれば実施します。チャンネル名は未定

登録はいつもの宴会君
http://utage.org/enkai/
宴会コード kernel080822

YLUG年表
http://www.ylug.jp/modules/pukiwiki/index.php?history

YLUG会合、読書会資料
http://www.ylug.jp/modules/pukiwiki/index.php?reading

Emacs勉強会 - tokyo-emacs

Emacs勉強会に参加した。なんやかんやで30人を越える参加登録である。

自分は随分昔からEmacsを利用しているのだが、全然使いこなしている感じがしない。最近、Emacsを勉強しなおそうと思っていたので、早速参加することにした。

http://wiki.livedoor.jp/harg/d/FrontPage

Emacsの基本を勉強しなおそう市民連合(笑)の代表として一言挨拶をした。今回は同市民連合の決起集会(嘘)なので、大いにアジったのであるが、みんなでEmacsの基本を勉強しなおしたいと思った。

早水さんのEmacs Lisp講座は初心者に向けての優しい講座であった。

メモをはりつけておくが、これだけじゃあ、何が何だかわからないなあ。

Emacs Lispは怖くない
括弧は空気
EmacsのことはEmacsに聞け
  ヘルプの使い方
Lispは単純
リストが全て
  ドット対
関数名と変数名の名前空間は別

実践編
.emacsを眺める
  (server-start)
  ansi-term
入門書
  もうひとつのScheme入門
  独習Scheme三週間
  プログラミングGauche
---------------------

files.el

K1LoW
  moz.el
  pabbrev.el
  dabbrev.el

  drill-instructor.el

yuki_neko_nyan
  yasnippet

jj1bdx
  face
  color-theme

IMAKADO
  anything
  補完が凄い

Misho
  Emacs for Latex

naoya_t

.emacs
  IMAKADO

Emacsについて語り合う人が自分のまわりにいない人達にとってtokyo-emacsはとてもいいところだ。大変勉強になった。懇親会で、メモ用紙にマクロの解説をしている早水さんや、それを囲んでわいわいがやがや議論している。楽しかった。またやりたいと思った。

早水さん、参加の皆さんお疲れさまでした。ありがとうございました。

追記:資料を公開した。tokyo-emacs-080628.pdfをダウンロード

セキュリティ&プログラミングキャンプ2008

ソフトウェアは人が作る。人がすべてだ。

若い人が魅力を感じなければその産業は衰退する。若い人にとってソフトウェア産業が魅力的なものだということを我々はもっと伝えないといけない。ビジョンを示し、その魅力を伝える努力をしないといけない。

一方で少しでも興味を持ってくれた人にソフトウェアを作ることの楽しさおもしろさ難しさを伝えることも必要だ。

人材育成だなんだと大げさにとらえるのではなく一緒にプログラミングの楽しさを経験したい。初心に戻ってプログラムを初めて作ったころの感動を体験したい。

22歳以下の皆さん。

あなたたちのために、そのような合宿を企画した。

セキュリティ&プログラミングキャンプ2008 http://www.jipdec.jp/camp/

『若年層のセキュリティ意識の向上と優秀なセキュリティ人材の早期発掘・育成』という目的で2004年からやっているセキュリティキャンプがきっかけだ。合宿形式で行うセキュリティ人材育成のイベントのプログラミング版だ。

U-20プログラミングコンテストで若い人たち(中学、高校生)のプログラムを読む機会があるが、やはり回りに相談する人がいないのか、プログラムの基礎的なことなどの理解が足りていない。例えばif文を延々と重ねて処理をするとか、いたるところに数字(定数)が書かれていたりとか、そーゆー力ずくのコードを目の当たりにみて、コードを書くにしても基礎的なイロハの伝授が必要であるということを痛感していた。

コードの書き方だけではなく、デバッグの仕方とか、gitをはじめとする分散バージョン管理システムあるいはOSSを前提としたコラボレーションのちょっとしたコツとか、必ずしも明文化されていないがとっても重要なことについて学ぶきっかけを作りたかった。

もちろん、その先にあるプログラムを作ることの楽しさ、達成感、充実感なども共有したい。

わたしのミッションステートメントをここに記す。プログラミングキャンプ宣言だ。

    *  オープンソースソフトウェアを開発する元気のいい若手プログラマを輩出したい。
    * 単にプログラミングテクニックが凄いというだけではなく、コミュニティのリーダとして、人々の話をよく聞き(コミュニケーション能力)、信頼されるようなプログラマを輩出したい。
    * 彼等が今後の核になってさらに新しい人材を発見発掘するというエコシステムを作りたい。
    * 彼等が新しい価値を創造し、世界から尊敬されるような人々になって、日本という地域が、そのような人々が集まるような場所にしたい。

10年で200人。

これが、わたしのユメだ。

そのような若者を雇用するビジネスを作るのが大人の役目である。

多くの若者の応募を待つ。

勉強会のこと

ここのブログの読者の皆様にはご存知のこととは思うが、ほそぼそとカーネル読書会という名の宴会、もとい、勉強会みたいなものをやっている。

最近特に思うのだが、東京界隈ではそれこそ毎日のようにあちらこちらで勉強会など開催されている。定期的な開催もあれば不定期な開催もある。カーネル読書会のようなゆるゆるな運営もあれば、きちんとした運営のもと何百人もあつめるカンファレンス形式のものもある。

まあ、感覚的には結構頻繁にいろいろやっているよねと思っていたのだが、下記のIT勉強会カレンダーを見てほしい。

https://www.google.com/calendar/embed?src=fvijvohm91uifvd9hratehf65k%40group.calendar.google.com

本当に毎日毎日いろいろな勉強会をやっている。このカレンダーは、はなずきんさん(http://d.hatena.ne.jp/hanazukin/)が個人で編集されているものなので、おそらくもれや抜けはすくなからずあるだろう。例えば、仲間うちでやっている読書会とか、広く募集していない勉強会などは当然載っていない。

これらの勉強会の特徴を一つだけあげるとしたら有志がボランティアでやっているものだ。商用のセミナーではない。IT系のカレンダーなので、業界の人達が集まるLinux World Expoとかの日程などももちろん掲載されているが、圧倒的多数はボランティアが自主的に開催している勉強会である。

個人が主催しているので、会費も無償か、あってもかかった経費を割り勘というのが多い。

内容も千差万別だが、それにしてもこれだけのコンテンツをほぼ無償でよりどりみどり勉強できる環境がこの地にはある。

勉強会によっては、勉強会のあと懇親会(宴会だよ宴会)がついてくる。これがまた楽しい。カーネル読書会は宴会があってのカーネル読書会のようなものである。

発表者に直に質問する絶好のチャンスである。宴会で隣に座った人が実は業界で知らぬ人はいない神様みたいな人だったりすることもある。あるいは一度も会ったことはなかったけど日記は良く読んでいたという、ああ、あの人かという人だったりすることもある。

確かに初めて勉強会に行くのはちょっとした勇気が必要だ。周りの人は皆初対面だったりするのはなかなか踏ん切りがつかない。行っても打ち解けないかもしれない。常連の人達は楽しそうにやっているかもしれないが部外者が行っても場違いではないか。などなど行かない理屈はいくらでもつけられる。

しかし、別にそんなに大袈裟に考えることはないと思う。ためしに行ってみて、だめだったら、自分にあわなかったら、別の勉強会に行けばいいだけの話だ。経済的なダメージがあるわけではないし、何がしかの知識が得られ、ひょっとしたらもっとすごい何かを得られるかもしれないチャンスなのである。

だめもとである。

いろいろな勉強会に参加してみて本当に思うのだが、このゆるい参加者の繋がりはとてつもない可能性を持っている。

カーネルの技術者もいれば、Web 2.0の開発者もいる。Perlのエラい人もいれば、Rubyの開発者もいる。ユーザーもいればばりばりのハッカーもいる。皆楽しそうにくっちゃべっている。わたしみたいにビールでヘロヘロになりながらキャッシュミスがどーだこーだなどと延々ヨタ話をかましている奴もいれば、大所高所から日本のIT産業の未来について、おまえはこの国の首相かみたいなツッコミを入れたくなるような論調でべきろんをぶっているやつもいる。

若い人もいれば年寄もいる。

オープンソースの技術論についてはとどまる事をしらない。MySQLやPostgreSQLのスケーラビリティについて、それこそ重箱の隅をつつきながら議論している。LAMPなどの定番のオープンソースについては共通の基盤として語彙がそろっている感じである。

そして単なる参加者だけではなくより積極的に発表者になろうというのが、1000人スピーカプロジェクトである。

http://ja.doukaku.org/wiki/index.php/1000speakers

自分を晒そう
恥ずかしがるための プライドなんて捨てちまえ!
それが自分のためにも 人のためにもなる

1000人スピーカ プロジェクトは、発表経験の少ない人に「自分の技術をさらけだす場」を提供することを目的としたプロジェクトです。

カンファレンスで自分のやったことについて発表することはとても重要です。しかし、参加者が100人を超えるようなカンファレンスで発表するのは敷居が高いです。また、そういうカンファレンスではどうしても参加者同士のつながりが薄くなりがちです。そこで、30人程度の規模のカンファレンスを繰り返し行うことで、敷居を低く、間口を広く、密度を濃くしていこうと考えています。

これだよこれ。こーゆープロジェクトがどんどん増えていって、勉強会の幹事もどんどん増えていって、参加者も発表者もどんどん増えていって、知が流通している。そんな実感がある。

日本にはGoogleはない。

だけど嘆くことはない。

われわれは勉強会、読書会という知のネットワークをここに持っている。

そしてプラットフォームとしてのインターネットを使いこなしている人々がいる。

巨大なバーチャルな学びの場をわれわれは持った。梅田望夫が「私塾のすすめ」で語っているような「私塾」があるような気がする。

参考:

カーネル読書会に必要なことは宴会で学んだ/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/08/post_5135.html
勉強会の幹事に向けて書いた。勉強会の運営のイロハである。

ちょっとした勇気と行動力(オフ会編)/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/12/post_fbd6.html
こちらは参加者へのメッセージだ。最低限、初対面の人と知り合いになろう。名刺交換をしようという、ちょっとしたコツを伝授(大袈裟だな)している。

勉強会でのエピソードなども早速ブログのネタにしちゃったりする。

Web2.0時代のソフトウェア開発のスピード/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/04/web20_5b1a.html
勉強会の後の懇親会で教えてもらったエピソードをネタにしちゃっている。金曜日の飲み会で企画会議をするという。

そしてこのエピソードはいろいろなところで使い回しをさせてもらった。
NDD (Nomikai Driven Development)/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/06/ndd_nomikai_dri.html

カーネル読書会のめざすもの/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/06/post_d222.html
なぜ、わたしはカーネル読書会なるものを始めたのかについて記した。

カーネル読書会とよしおかの野望/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2006/07/post_69b1.html
ゆるい感じのカーネル読書会の実態を記している。

OSSの技術カンファレンス、縦串横串/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2006/07/oss_f5f1.html

日本にはGoogleはないけど、OSの専門家やRDBMSの専門家やWebアプリケーションの専門家がバーチャルにコラボレートして世界にないものを創造していく、そーゆー緩い場ができると面白いなあなどど最近思っているのだ。それを東京と言う地域でやれないかなあと。

1000 Speakers Conference/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2008/02/1000-speakers-1.html
先に紹介した1000 Speakers Conferenceに参加した時のレポートだ。発表がニコニコ動画にアップされているのも嬉しい。インターネットのおかげで時間も空間も超越できるようになった。

Linux World Expoのパネルディスカッションに参加します

明日(5月29日)、Linux World Expoのパネルディスカッションに参加します。

http://www.idg.co.jp/expo/lw/lw2008/details/index.html#a27

日本SGIの高澤さんの司会で、キヤノン株式会社、志田惠昭さん、横河フィールドエンジニアリングサービス株式会社、丸茂晴晃さんらと人材育成をテーマに議論する予定です。

どんな話になるかは、その場のノリみたいな感じが強いのですが、お時間ありましたら、参加してください。

群衆の叡知(えいち)サミット2008 - (WOCS2008Spring)

群衆の叡知サミット2008に参加した。http://techstyle.jp/wocs/2008spring/

パネリストはわたしも含めて下記の方々。
# 伊藤久美氏(IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社)
# 伊藤直也氏(株式会社はてな)
# 伊藤佳美氏(日本ユニシス株式会社)
# 生越昌己氏(WASP株式会社)ブログ
# 楠正憲氏(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)
# 鈴木友峰氏(日立製作所)
# 田代秀一氏(独立行政法人情報処理推進機構)
# 谷川正剛氏(株式会社Prediction)
# 徳力基彦氏(アジャイルメディア・ネットワーク)
# 西田隆一氏(CNET Networks Japan)
# 福岡秀幸氏(日本電気株式会社)
# 山口浩氏(駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部)
# 吉岡弘隆(ミラクル・リナックス株式会社)
# チェア:岡田良太郎氏(株式会社テックスタイル)

ustream.tvでの中継(今回はじめての試み)、会場から携帯を利用した集計システムなどインタラクティブな仕掛、休憩時間にはアイスクリーム(美味)やドーナツの配布、ドリンクサービスなどいたれりつくせりのおもてなしでなかなか楽しいイベントであった。

http://www.ustream.tv/channel/wocs2008spring

セッションの内容についてはustream.tvで確認いただくとして、今回参加したなかでいろいろ感じたこと主張したことなどを雑駁ではあるが記してみたい。

オープンソースについて

群衆の叡知あるいは集合知の成功例としてオープンソースソフトウェアという認識のもといろいろ議論をさせていただいた。

オープンソースソフトウェア特にLinuxの成功については鈴木さんのプレゼンが上手にまとまっていると思った。のちに生越さん(おごちゃん)がオープンソースはお花畑かよ、というツッコミがあったが、それはそれとして、成功例の一つとしてLinuxがあることは間違いない。

群衆の叡知が成立する条件として、参加者の多様性、独立性、分散性、集約性などが担保されている必要がある。

Linuxの場合、gitという分散バージョン管理システムで、ソースコードを管理しているが、そのログによれば、2.6.12から最新版までに、約97000のパッチが約4000人の人達によって投稿されている。emailアドレスによる分析では250を越える所属(会社など)。

Top changeset contributors by employer        
(Unknown)        28613     (29.6%)
(None)            9034     (9.3%)
Red Hat           8029     (8.3%)
Novell            7518     (7.8%)
IBM               6683     (6.9%)
Intel             3201     (3.3%)
Linux Foundation  2800     (2.9%)
SGI               1824     (1.9%)
Oracle            1471     (1.5%)
SWsoft            1353     (1.4%)
Others           26300     (27.2%)
Processed 96826 csets from 4032 developers
257 employers found
A total of 14088649 lines added, 4699892 removed (delta 9388757)
as of 5/16/2008

この例からも分るとおりLinuxの開発は参加者の多様性、独立性、分散性、集約性などがある。

特筆すべきは、4割近い人々(所属がUnknownないしNone)が、業務としてパッチを投稿しているのではないという事である。昨今Linuxの開発は大企業によって推進されているという指摘もあるが、確かにその側面もあるにはあるが、Red Hat/Nobel/IBMという御三家それぞれ10%以下のシェアであり、今だに多くの貢献は、個人ないしは小企業に属する人々によってなされているという典型的なロングテールの開発であるという事である。

4000人の開発者はどのような思いで、そのパッチを作ったかは4000通りの回答があると思う。仕事であったり純粋に楽しみであったり人それぞれである。それを集約したのがLinux Kernelという事になるかと思う。

社内ブログと人材流動性

群衆の叡知が成立する条件として、参加者の多様性、独立性、分散性、集約性などが担保されている必要があると先にのべた。

企業内で、SNSや社内ブログで、叡知を結集するためには、上記の条件を意識してクリアしないといけない。そこが社内SNSなどの難しさの一旦である。またイノベーションが発生するためには、何らかの形でも新しい結合(出会い)が必要で、部門間を越えた結合を制度として設計し実装することが必要条件となる。NECの福岡さんの報告にあったようにNECの社内SNSはそれをファシリエータと呼ばれる人々によってドライブしているようである。

福岡さんは、社内SNSなどをEGM (Employee Generated Media)という概念で説明していた。さらに、会社の枠を飛び越えたEGMの可能性を指摘していたが、正直ビジネスの分野では非常に難しいと感じた。

そのような知恵は、会社に所属するのではなく個人個人に属するものだと思う。であるならば、その属人的な知恵は会社内あるいは会社間SNSで閉じ込めるのではなく広く公開したほうが社会にとっても有益である。しかし、暗黙知を形式知にするようなもので、それはそれで難しい。であるならば、人材流動性を前提として、その属人的な価値を、人材とともに流通するような仕組を考えた方が実現可能性が高い気がする。

日本の労働慣行は、長期間な雇用を前提としている。終身雇用と言わないが2年半で会社を変えるというスタイルではないので人とともに重要なノウハウが業界でゆるく共有されるということもない。

一方シリコンバレーのIT産業であれば、例えばRDBMSの実装について、人々の転職によって、業界全体で緩く共有されている。あるいは大規模トランザクション処理のTipsが緩く共有されている。さらに共有基盤としてOracleなどの商用ソフトだけではなくMySQLなどのOSSを利用した運用ノウハウがコミュニティの暗黙知として様々な形で流通している。

そして上記のような状況がシリコンバレーの地域的な競争力を高めているとするのなら、日本という地域でも意識して、人材を流動させることにより、その環境を作ることが可能なのではないか。

事実、大企業ではなくWeb2.0系の会社(はてな、mixi、ドワンゴ(ニコ動)、Gree、ライブドア、Yahoo等々)に所属する若手のエンジニア達は、いろいろな勉強会あるいは読書会などで、自分たちの問題を等身大で語り初めているではないか。隣に座ったPerlのエラい人達と対等に語りあっているではないか。ビジネスとしては競合する会社に勤めている人達が同じ場で自由に情報交換をしている。

そしてOSSの利用技術について暗黙知を形式知に転換したり、バッドノウハウとして情報交換している。

まさに、そこに集う人々は多様性、独立性、分散性、集約性などが担保されている状況が発生しつつある。

東京という地域では、結果として、そのような技術者のルツボがあり、新しい出会いがあり、イノベーションの萌芽が、見られる。

感想など

まだまだ語りたいことはてんこ盛りなのであるが、紙面がつきたので、このくらいにしておきたい。

最後になったが、素晴しい機会をあたえてくれた岡田さん、気持のいいおもてなしをしていただいたスタッフの皆さん、活発な議論をしていただいたパネリストの皆さん、ustream.tvでの参加者、そして会場に参加していただいた皆さん、大変ありがとうございました。皆さんのおかげで大変楽しい時間を過したと共に自分の考えをまとめるキッカケ、気付きのヒントを多数いただいた。お腹いっぱい、すっきりしました。

ありがとうございました(ぺこり)

付録:Linux Kernel Source Codeの分析について

下記にあるgitdmというpythonのスクリプトを利用した。pythonおよびpython-egenix-mxdatetimeなどのパッケージをインストールしておく必要がある。
http://www.kernel.org/pub/linux/kernel/people/gregkh/kernel_history/

Who wrote 2.6.20? 誰がlinux 2.6.20を書いたのか?/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/06/who_wrote_2620__4b18.html

カーネル読書会/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/06/post_da8e.html
GregKHがLinux開発者のプロフィールの分析を発表した。後のOttawa Linux Symposiumでの論文のモトネタとなる。

Greg KHの論文
http://ols.108.redhat.com/2007/Reprints/kroah-hartman-Reprint.pdf

追記:WOCS2008springに言及のあるブログ、日記など。

歌舞伎町で遇ったギークなタクシー運転手の編み出した、群衆の英知を活かした馬券購入法/雑種路線でいこう
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080521/wocs

群衆の叡智サミット2008Spring行って来た/public static void main
http://d.hatena.ne.jp/Kishi/20080522/1211419795

第87回カーネル読書会のおしらせ

毎度おなじみ流浪の番組、カーネル読書会のご案内です。

今回は場所を日本SGIホールにしました。初めての方もそうでない方も奮ってご参加ください。

第87回カーネル読書会のおしらせ
日時:05月23日、18時半開場、19時ころ開始
会場:日本SGIホール、恵比寿ガーデンプレースタワーB1F
http://www.sgi.co.jp/company_info/map1.html
(場所は恵比寿ですのでお間違えのないよう)

お題:Linux Network Stack
 〜UDPメモリ管理の改善とNetwork Subsystemの現状と課題〜
発表者:大島 訓さん(日立製作所システム開発研究所Linux Technology Center)
概要: 
 2.6.25で採用された「UDPのメモリ使用量を計測し、上限を設定する機能」について、開発の動機、netdevでの議論の経過、実装、裏話についてご紹介します。また、Linuxのネットワーク
機能の現状を整理し、今後取り組むべき(と私達が考えている)課題をご紹介します。
 今回の内容は、3月にLinux Foundation Japan Symposiumで講演した内容がベースですが、YLUG向けに”濃い”話をします。

18:30頃、開場
19:00頃、お題開始
20:30頃、懇親会開始

場所は日本SGIホール、恵比寿ガーデンプレイスタワー B1F
http://www.sgi.co.jp/company_info/map1.html

開場した後は、だらだらと自己紹介やら小ネタやらをやりますので、時間の許す限り早めに来た方が面白いお話をきけるかもしれません。

懇親会はいつもの銀座ライオンが予約とれなかったので、旬鮮料理 JOE(じょう)其の壱。http://r.gnavi.co.jp/g169302/ 飲み放題コース(予定価格5000円) 、学生さんは1000円ポッキリ予定。(懇親会の会場が変更になっているので注意してください。)
懇親会参加希望の方は、懇親会参加(学割希望者はそれも)と明記してください。

会場の都合で90名で締切ます。

なおセミナー内容につきましては、にこにこ動画などで配信予定です。
ustream.tvでのインターネット中継も可能であれば実施します。
チャンネル名は未定

登録はいつもの宴会君
http://utage.org/enkai/
宴会コード kernel080523

YLUG年表
http://www.ylug.jp/modules/pukiwiki/index.php?history

YLUG会合、読書会資料
http://www.ylug.jp/modules/pukiwiki/index.php?reading

1000 Speakers Conference

11 1000 Speakers Conference参加した。ミラクル・リナックスで開催した。

わたしの資料もアップしました。ylug_1000speakers.pdfをダウンロード

溝口さん(ドワンゴ)がニコニコ動画にアップしてくれた。ありがとうございます。

わたしは2-13の「カーネル読書会の作り方」でお話をさせていただいた。オフ会的勉強会の実践的開催方法論(おおげさ)について発表したのでぜひ参考にしてほしい。

各、発表はそれぞれ個性豊かで大変面白いものばかりだった。ustream.tvでの中継と、チャットがライブ感をかもし出していた。160人程度インターネット経由で中継を見ていたようである。

その後、懇親会を同会場でピザとビールで行なった後、新橋の居酒屋で二次会をした。

 


1000人スピーカカンファレンスという素敵なカンファレンスを開催してくれた、西尾さん、天野さん(amachang)、動画中継の溝口さん、発表者の皆さん、参加者の皆さん、どうもありがとう。そして、ニコニコ動画、はてな、ustream.tvなどインターネット上のプラットフォームを作ってくれた皆さんにも深く感謝したい。そのようなものがなければ、今回のカンファレンスはできなかったと思う。

若い人たちの元気のいい姿をみるのは心地よい。

第二回1000人スピーカカンファレンス/西尾泰和のはてなダイアリー
http://d.hatena.ne.jp/nishiohirokazu/20080223/1203780721

話したい人のためのカンファレンスを開催します。(追記あり)/IT戦記
http://d.hatena.ne.jp/amachang/20071211/1197350279

1000人スピーカーカンファレンス
http://ja.doukaku.org/wiki/index.php/1000speakers:2

1000 Speakers Conferenceに参加します。

1000人スピーカ プロジェクト
http://ja.doukaku.org/wiki/index.php/1000speakers

自分を晒そう
恥ずかしがるための プライドなんて捨てちまえ!
それが自分のためにも 人のためにもなる

素敵だ。ぜひ、参加したい。と思って第一回に申し込んだのだけど、既に定員オーバーで参加できず涙を飲んだ。そこで第二回には絶対参加してやると意気込んで、どうせならついでに発表側で参加しちゃる。会場もミラクル・リナックスを押さえた。

http://ja.doukaku.org/wiki/index.php/1000speakers:2

お題は「カーネル読書会の作り方」。回を重ねること次回で84回のカーネル読書会について、はじめたきっかけ、運営する上でのちょっとしたヒントなどをいつもどおりのユルイ感じでお話しようと思う。

会場:ミラクル・リナックス
日時:2月23日(土曜日)、12時半開場、13時開始。
インターネット中継:
http://ustream.tv/channel/1000speakers

会場までのニコニコ動画(RC)での案内。(ドワンゴの溝口さん謹製。ありがとうございました)

http://www.miraclelinux.com/corp/about/maps_google.html

カンファレンスの申し込みは終了しているが、ustream.tvでインターネット中継の予定なのでインターネット経由で参加してほしい。

http://ustream.tv/channel/1000speakers

技術セミナー「技術は会社のものではない。みんなのものだ」をYouTubeでも公開しました。

YouTubeでも公開しました。 実は先週中にアップされていたのですが、皆様への公開アナウンスが遅れてすいませんでした。

技術は会社のものではない。みんなのものだ。社内セミナーをニコニコ動画(RC2)で公開するまで。

先日、野村総合研究所向けに「技術は会社のものではない。みんなのものだ」というタイトルで社内セミナーをした。

オープンソースにまつわるソフトウェア開発方法論みたいな話である。まあ、中身は日頃わたしのブログをご覧の皆様にはおなじみなお話である。

野村総合研究所(NRI)の社員30人程度の皆様への社内セミナー(注)である。今回一つお願いをした。「講演を後に公開していただく事を前提にお請けします」。

セミナーを職業にしている講師にとってはありえない条件である。しかし、わたしは講演を公開することの経済的な損失というのはないし、むしろ自分の日頃の主張と行動に一貫性を持たせるという意味あいの方が強い。

講演内容を公開しろなどという講師は前代未聞である。大きな企業になればなるほど社内調整というやっかいなものが待っている。一度誰かが先例をつければ次の人はその道をフォローできるが、最初の一歩が困難にみえる。越えられない壁のように見えなくもない。

しかし、誰かが最初の一歩を踏み出して、何か新しいことをはじめたからこそ今の姿があるはづである。見えない壁を乗り越えるにはちょっとした勇気と行動力が必要である。社内力学の中で上手にたちまわる社内調整力、したたかなソーシャルハックが必要である。

エンジニアはどうもそのようなハックが苦手というか無頓着な人が多い気がするが、しなやかにそしてしたたか行動していきたい。

今回、公開をお願いしたとき、担当の野上さんは「よしおかさんからは何となくお願いされるような予感がしていましたよ」と後に語ってくれたが、何事もダメモトでお願いしてみるものである。わたしがお願いしなければ、公開はされなかったわけだが、野村総合研究所の多くの方の努力の結果、社内セミナーの公開を達成されたことは素晴しい事だと思う。

やればできるじゃん、などというと大変失礼にあたるが、何事もとりあえづやってみて、上手くいかなかったら上手くいくような工夫をする。そーゆースタイルでソーシャルハックを続けていく。

公開しないより公開した方がトクな状況を模索する。あるいは公開してもソンでない状況を発見する。企業の利益にそうような提案をする。

担当の野上さんには社内調整などご苦労をおかけした。感謝したい。ありがとうございました。

注:社内セミナー:NRIグループ内の社内ベンチャー制度の一つとして、ほぼ月1回、起業家などを呼んで講演会および交流会を実施している。啓発活動とケーススタディの場として提供。

講演会資料nri080122.pdfをダウンロード

さよならNetscape、こんにちはWeb 2.0

Netscapeのサポートがこの2月に終了するというニュースが昨年末に流れた。それを記念(?)して、「さよならNetscape」というイベントが先日開催された。

一時代を築いたブラウザが世を去るというのは感慨深い。

当日、所用があったので参加できないかと思ったが、帰宅途中渋谷で乗換だったので、ふと気が変って、そのままずんずんイベント会場へ行く自分がいた。

なぜ、そこに引き寄せられたのだろう。気がつくとイベント会場にいた。

会場にはお久しぶりの人達がいっぱいいて、神田さんが誰かが作ったブラウザの年表を見ながら90年代のインターネットの事を語っていた。

ビールを飲みながら皆さんのお話を聞く。NetscapeがAOLに買収されて10年後にサポートを終了する。まあ人はいろいろ失敗の理由を言うが、後づけの理屈のような気がする。

次のビールを飲んでいたらマイクがまわってきた。酔いも手伝って、「モジラの解剖」のお話をはじめる。スイッチが入った。一気にスイッチが入った。

モジラの解剖というのは、当時シリコンバレーにいたわたしが書いていた、モジラの解体新書とも言うべきWebのページで、どのようにビルドするかとか、どのようにハックするとかを載せていた。

10年前にNetscapeはそのソースコードを公開し、それをモジラと名付けた。98年1月23日にそのプレスは発表された。その衝撃。3月31日のソースコード公開までわくわくしながらそれを待ち、当日28Kbpsのモデムで2時間かけてピ〜ヒャラピ〜ヒャラさせながらダウンロードしたのである。それから数ヶ月、夜中に自宅でハックした作業について書いたのが、「モジラの解剖」だったのである。

昼間はOracle 8.1(後にOracle 8iと呼ばれる)のエンジンを開発しつつ夜中にモジラを解剖する。そのような体験をするのは生まれて初めてだ。なんだかとんでもない事が世の中でおこっている。そのワクワク感、ドキドキ感を綴った。思いのたけをふりしぼって書いた。

誰かに向って書いたわけではなく自分の正直な気持をストレートに書いていった。

それが「モジラの解剖」だ。

10年後、渋谷で「さよならNetscape」というイベントで、そんな事を、おじさんの昔話として語った。そうしたら会場にいた何人(!)もの人が、よしおかさんの「モジラの解剖」を読んでいましたよ、あのページを見たからモジラに興味を持ったんですよ。Software Design誌に載った、よしおかさんの記事を読みましたよ。あの記事を読んだんで、今ここにいるんですよ、と言われた。

10年前、誰のためでもなく自分のために書いたウェブのページ。シリコンバレーで書いたページを日本で読んでいた人に、10年後、渋谷で再開する奇跡。

涙が出た。嬉しかった。

ああ、Netscapeは自分の人生を変えちゃったんだなあ。

オープンソースというパラダイムは随分大きな転換だったんだなあと思った。

2000年4月に日本オラクルのセミナールームでMozilla.party.jpを開催した。当日集まった多くの人もわたしの「モジラの解剖」を読んでくれていた。そして、その時の嬉しさも楽しさもよみがえった。

インターネットにはネガティブな事もいっぱいあるが、誹謗や中傷や犯罪もあるけど、自分の書いた一遍のページがインターネットの誰かにつたわって、それが10年後、大きな利子をつけ自分にめぐってくる。

インターネットの奇跡。

そして、その次の日、その興奮さめやらぬテンションをたもったまま、ITPro EXPOでアプレッソの小野さんと対談した。

当初はモデレータの真島さんの質問に二人が答えるという静的な構成を考えていたのだが、小野さんの話を聞いているうちにスイッチがはいってしまって、どんどんどんどんWeb 2.0時代での自分語りの話になってしまった。

世界中で自分のページを読む人がたった3人しかいないとしても自分に正直に書く。たった3人だとしても、あなたのページを読む人は絶対いる。未来の自分がそれを再発見して、それに癒やされる。

そんな話をした。熱く語った。

会場にいた方が、対談後、それは「ナースログ」というんですよと教えてくれた。

会社帰り焼肉屋で旨い焼肉をつつきながら、ここ数日におこった奇跡について友人と語り、インターネットの可能性について、未来について夢をふくらませたのである。

ITPro EXPO 対談
1/31にITPro EXPOでミラクルリナックス吉岡さんと対談します。
http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50201980.html

お知らせ。ITPro EXPOでアプレッソの小野さんと対談します。(ユメのチカラ)
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/12/itpro_expo_51ae.html

X-over Development Conference in ITpro EXPO
【吉岡弘隆 × 小野和俊】
Web 2.0時代のソフトウエア開発者の生き方 
http://itpro.nikkeibp.co.jp/expo/forum/view.html?c=X10

ITpro Expo2008に行ってきた その1 吉岡さん×小野さん (chiqashi.log)
http://d.hatena.ne.jp/chiqashi/20080131/1201769745

[カンファレンス]【ITpro EXPO 2008】Web 2.0時代のソフトウエア開発者の生き方 (朝は眠い日記)
http://d.hatena.ne.jp/lifeloveregret/20080131#1201777654

「自らネットで情報発信することですべてが変わる」,実力派開発者が語るこれからのソフトウエア開発者の生き方
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080131/292680/

『さよなら Netscape』に参加してきました。(ラボブログ)
http://blog.spicebox.jp/labs/2008/01/_netscape.html

FirefoxNITE 「第一回さようならNetscape」へ遊びに行ってきた。(tamcat(木管猫)の備忘録)
http://blog.so-net.ne.jp/tamcat/2008-01-31

Netscapeのシール (すめるまん Broken Diary)
http://d.hatena.ne.jp/smellman/20080128/1201540049

モジラの解剖(文字コードをshift JISにして見てください)
http://web.archive.org/web/19990202012229/www.best.com/~yoshioka/d/98/mozilla.html

モジラの解剖  ソフトウェアデザイン誌、98年8月号(文字コードをshift JISにして見てください)
http://web.archive.org/web/20000823214952/www.best.com/~yoshioka/d/98/sd199808.html

セキュリティ・キャンプ・キャラバンwithプログラミング沖縄

080126_13140001 若年層の情報セキュリティ意識の向上と優れたセキュリティ人材の発掘と育成を目的として、毎年開催しているセキュリティキャンプの成果とその蓄積されたノウハウを広く一般の方々にも公開すること、これからキャンプに参加していただきたい若い方々に正しい情報セキュリティの理解と意識の向上を図ってもらうこと、また、オープンソースソフトウェア(OSS)を中心としてプログラミングやアプリケーション開発について興味を持っていただくことを目的として、「セキュリティキャンプ・キャラバン with プログラミング -沖縄-」を開催します。
http://www.jipdec.or.jp/camp/caravan/caravan_okinawa.html


080126_13140002

ということで沖縄にきている。わたしは大阪、筑波、そして沖縄と三ヶ所キャラバンした。

来週は横浜で開催するので東京近郊の皆様はぜひ参加してほしい。
http://www.jipdec.or.jp/camp/caravan/caravan_yokohama.html

セキュリティキャンプ・キャラバンwith プログラミング 2007
集まれ“若い力”
http://www.jipdec.or.jp/camp/caravan/caravan.html

カーネル読書会、初めてのストリーミング中継

第83回カーネル読書会はささださんの「高速なRuby用仮想マシンの開発」というお題であった。Ruby 1.9.0リリース直後ということもあり、ミラクル・リナックスのセミナールームは立ち見の大入り満員であった。

今回のカーネル読書会の目玉はそれにもまして、初めてストリーミング中継を行なったことである。途中、若干中継が途切れることもあったが、概ね音声、映像とも問題なく中継ができたようだ。インターネット経由で参加した人は60人程度いたようである。こちらも満員御礼であった。

びぎねっとの伊藤さんはじめ撮影隊の皆さん、ありがとうございました。
下記のURLにあるPast Clipsをクリックすると録画した中継映像が見られる。
http://ustream.tv/channel/ylug-83th-kernel-reading-party

ログインすると同時にチャットもできるので、ささださんのプレゼン資料を向かって右、ustream.tvの画面(チャット)を中央のプロジェクトに流した。午後7時の開始前から映像のテストをかねてだらだらと映像を配信したのだけど、音声も予想以上に明瞭に流れていたようである。通常は質問の声とかは拾えないのであるが、小さいながらも質問も聞こえていたようである。

チャット画面で質問やツッコミがあって、それに適宜答えるというスタイルも面白かった。

しかし、それよりなによりびっくりなのは、ビデオとPCとインターネット接続さえあれば、いとも簡単にストリーミング中継ができてしまうことだ。サーバの設定とか回線の確保とか一昔前だったらインターネット中継というのは超大げさな準備が必要で、毎回毎回それを行なうというのは、カーネル読書会のような100%ボランティア活動では人的コストがかかってしまい、現実的には難しかった。それが、本当に簡単に中継&チャットができて、うは~~すげ~~という感想である。心底たまげた。

今回の講演については、複数台のビデオカメラを回していたので、途中中継が切れた部分も含めニコニコ動画やGoogle Videoなどに再度アップロードする予定である。中継が切れたとき、チャットの画面で、映像が切れた~~という悲鳴が上がったのであるが、そーゆーことなので、もう少しお時間を頂きたく。

ストリーミング中継をしたおかげで、日頃カーネル読書会とは縁もゆかりもない人や(今回はRubyistが多かったと思う)、コアな勉強会は殺伐としていて参加しにくいと思っている人なども気楽に参加できたのではないかと思う。

中継をみて、カーネル読書会って、すげ~~楽しそう、殺伐としていて怖いなんてことは全然ないじゃん、とか認識を新たにしていただくきっかけになったようで望外の喜びである。

質問もがんがんでて、それが愛のある質問だったりして、発表者も参加者も一体となって楽しむというカーネル読書会のスタイルは、すげ~~楽しいのである。

中継のあった部分も予定1時間のところが30分オーバというくらい熱気があったし、中継オフになった後のピザ&ビアパーティも空前絶後の大盛り上がりであった。

VMとOSの境界線をまたぐような何か新しい試みが出来ると、それはそれで大変面白いと思う。そんな妄想について夜遅くまで盛り上がったのである。

インターネット中継あるいは、映像を見て、カーネル読書会に興味を持った方はぜひ次回のカーネル読書会に参加してほしい。アナウンスはYLUGのメーリングリストに流すので、メーリングリストを購読して次回の参加をお待ちする。http://www.ylug.jp/modules/pukiwiki/

カーネル読書会は83回を数えるのであるが、技術系勉強会のスタンダード(笑)として、もっともっと進化していきたい。いろいろなことを試して行きたいと思う。

第83回カーネル読書会のお知らせ

日時:12月27日(木)、18時半開場、19時開始
場所:ミラクル・リナックス株式会社 セミナールーム

お題:高速なRuby用仮想マシンの開発
発表者:笹田耕一さん、
 東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻
 特任助教 / 日本Rubyの会 理事(会計)
内容:
先日,上記のタイトルでRuby用仮想マシン YARV: Yet Another RubyVM について博士論文の発表をしたのですが,その内容をベースに YLUG で発表します.D論で受けたつっこみを交え,この成果について本音トークします.

18:30頃、開場
19:00頃、お題開始
20:00頃、懇親会開始

場所はいつもの、ミラクル・リナックス社セミナー会場地図
http://www.miraclelinux.com/corp/about/maps_google.html

開場した後は、だらだらと自己紹介やら小ネタやらをやりますので、時間の許す限り早めに来た方が面白いお話をきけるかもしれません。

会場で、ピザとビールの懇親会つき。(予定価格1000円)懇親会参加希望の方は、懇親会参加と明記してください。

登録はいつもの宴会君
http://utage.org/enkai/
宴会コード kernel071227

12月25日追記: http://ustream.tv/channel/ylug-83th-kernel-reading-party でストリーミング中継を行います。

第82回カーネル読書会の映像公開

びぎねっとの伊藤さんのご協力で第82回カーネル読書会の映像がGoogle Videoで公開された。伊藤さん、毎度ありがとうございます。(http://video.google.com/videoplay?docid=-5839382497664451611&pr=goog-sl)

第82回カーネル読書会のお知らせ--ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/11/82_8aba.html

牧野さんの発表資料は下記なので、資料をめくりながら聞くとよいと思う。銀河の誕生のシミュレーションはビデオを見る必要があるけど。
http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/talks/ebisu20071217.pdf

なお、牧野さんの各種資料は http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/talks/index-j.html にある。

ちょっとした勇気と行動力(オフ会編)

プログラマがプログラマとして楽しく生きるちょっとしたコツ。

プログラマがプログラマとして楽しく生きるには、ちょっとした勇気と行動力が必要だ。別にプログラマだけじゃなくて、営業だって、マーケだって、誰だって、それは必要だと思うのだけど、まあ、それはそれ。

例えば、Perlの最新動向を知りたくて、どっかの勉強会に出たとする。この時点で、すでに勉強会に出るという「ちょっとした勇気と行動力」を発揮している。素晴しい。その前向きな姿勢は、何もしないでモンモンとしているより何十倍も素晴しい。

さらに、懇親会(まあ、普通の宴会だと思えばいい)にも出てしまおう。知り合いを見つけて、やあやあやあと食っちゃべる、というのも良いが、それはほどほどにして、最低限一人でも初対面の人と知りあいになろう。初対面の人に自己紹介するというのも最初はドキドキするものであるが、それもちょっとした勇気と行動力でのりきろう。社会人であれば名刺交換というプロトコルがあるので、自己紹介はある程度パターン化できる。

さけたいパターンは知り合いだけの内輪で盛り上って終るというもの。単に内輪だけで盛り上りたいのであれば、別途宴会でもなんでもした方が効率(?)がいい。主催者としては、せっかくオフ会の場を提供したのだから積極的にいろいろな人が知りあって、いわゆるネットワーキングをして、知りあいの輪を広げて欲しいと思う。カーネル読書会なんていうのは、まさに技術系の出会いの場だ。

まあ、話をしてみてちょっと苦手とか生理的にうけつけないというのも、もちろんあるので、その場合はまた別の人とお話をすればいいだけの話なので難しく考える必要はない。

そーやって、人の輪を広げていくと、今まで見えていなかった地平線が見えてくる事がある。

わたしの場合は単に宴会が好きという事もあるのだけど、それでもカーネル読書会を80回以上やっていて、その度ごとに何人かの人と知りあって、下手をすると1000人くらいの人とはお目にかかったのだはないかと思う。だからどーだとか言うことはないし、それによってお金儲けに役だったということは一切ないけど、その出会いが私の宝物になっていることは間違いない。わたしのこのネットワークはわたしの価値そのものである。

今でこそカーネルハッカーの人にメールを書いて、カーネル読書会でプレゼンしてくださいなどどお願いすると、大抵の場合、スケジュールさえあえば、喜んで発表してくれる。それもこれも長いことやってきたということもあるけど、わたしの最初の一歩、ちょっとした勇気と行動力によって達成できたことだと思う。

ちなみにカーネル読書会の講師の皆さんは講演料も全くなく、手弁当で面白いお話をしてくれるのである。大変ありがたい事である。

オフ会とか懇親会とかは初対面の人と知りあいになる貴重な機会なのである。プログラマはあんまりそのような場になれていない。引込みじあんなあなた、ちょっとした勇気と行動力で、試してみよう。思ったより難しくはない。

すいません、名刺交換させていただいてもいいですか。わたくし、よしおかと申します。はじめまして。

それだけである。簡単でしょ。

それから始まる出会いは、あなたか想像する以上に豊かで楽しいものになると思う。すくなくともわたしはそのような経験をしている。

お知らせ。ITPro EXPOでアプレッソの小野さんと対談します。

来年1月31日に開催される ITPro EXPO で、アプレッソ代表取締役副社長CTOの小野さんと対談します。

【吉岡弘隆 × 小野和俊】Web 2.0時代のソフトウエア開発者の生き方 

今から大変楽しみです。
あとここだけの話ですが、このセッションだけ特別に録画OKのお許しをいただいています。撮影隊のボランティアをやってもいいよという方はわたしまでメール(hyoshiok at miraclelinux.com)ください。


未踏オフ会

古川享PM(プログラム・マネージャ)の未踏ソフトウェア創造事業(長いな、以下未踏と称す)のオフ会に参加した。

古川さんの事は30年くらい前から、わたしは一方的に名前を存じあげていたのだけど、直接名刺交換をするのは初めてである。それはともかく、1970年代のマイコン世代の懐しいお話満載で、ASCII出版のころとか、マイクロソフト株式会社設立のころのエピソードなど興味がつきなかった。

最初にパワーポイントのちょっとしたTipsを延々話していたのは笑った。YouTubeのCTOは、パワーポイントも上手に使えないとか、どーでもいい(失礼)エピソードが面白い。

古川亨略歴ということで、ASCII時代の話から入った。

79年11月のASCIIにパーソナルコンピュータはメディアになるというコラムを書いてそれが自分のビジネス、生き方の指針になった。その後、ASCIIでInformixの日本語化、BSD Unixの日本語化、これはのちにSONY NewsとかUltrixで使われた。86年マイクロソフト日本法人設立。

当時Apple/Sun Micorsystems/Microsoftの三社から社長のオファーがあったが、マイクロソフトの社長になったのは皆さんご存知のとおり。人事権に関しては誰がなんと言おうとも、米国本社ではなく自分が持つというのを条件に社長になった。

人とぶつかった時に、相手の正しさを認めること、自分の非を認めること、それが重要で、Bill Gatesは人の話を聞く(リスニングスキル)がすばらしい。そしてそれを自分の力にする。

ソフトウェア事業は核となるところ、目標となるところを持っていないといけない。YouTubeは自分の母親にも使ってもらいたかった。そーゆーしっかりとした軸が必要。

天才プログラマを生かすプロダクションが必要。宣伝をして、マーケティングをして、営業をして、箱をつくって、権利関係を確認して、商標をとって、というような様々な事をやってくれる、アーティストに対するプロダクション事務所みたいなものが必要で、プログラマはその重要性を理解する必要がある。いいマネージャーに出逢う必要がある。

というようなお話をプレゼン資料2枚で延々1時間以上独演会をしている。古川節炸裂である。これはわたしの文章では伝えられない。ライブの醍醐味である。

その後、ユルユルの形でパネルディスカッションがはじまって、古川さんの熱気で竹内さんたじたじである。

いろいろ興味深いエピソードを聞きながら、結局のところ、日本という地域に圧倒的に足りないのは、やはり、ソフトウェア製品を作ってそれをビジネスにした経験者であり、その経験者を拡大再生産する土壌であると思った。古川さんのような「経験豊かなおじさん」が圧倒的に足りない。

足りないならば、もっともっと「古川さん」を利用させてもらおう。古川さん的な人達と交流を持ち、すこしずつ成功体験を拡大再生産していく。そのきっかけの一つとして未踏というプラットフォームを利用する。

優れたプログラマは沢山いる。彼ら彼女らの活躍するフィールドを作るために、ビジネスとして成立させるためのイロハを知っている古川さんのようなベテランをひっぱりだして、プログラマと同じ坩堝につっこんで、核融合を発生させる。

そんな期待感があった未踏オフ会であった。


古川 亨 ブログ
未踏ソフトウェア創造事業のオフ会に参加、その1
http://furukawablog.spaces.live.com/blog/cns!156823E649BD3714!8461.entry

Exciting BEAT「未踏ソフトウエア創造事業オフ会 & Venture BEAT Project」
http://v.japan.cnet.com/beatproject/blog/story/0,2000071498,000241c-0000021424o,00.htm

nobilog2
未踏ソフト第1回オフ会に行ってきました!
http://nobi.cocolog-nifty.com/nobilog2/2007/12/post_5ac0.html

Drift Diary12
未踏オフ会に参加してきました。
http://blog.drikin.com/article/73528036.html

nishimotzの日記
未踏オフ会
http://d.hatena.ne.jp/nishimotz/20071218

未来のいつか/hyoshiokの日記
未踏オフ会
http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20071218

第82回カーネル読書会のおしらせ

下記のようにカーネル読書会を開催します。

第82回カーネル読書会のおしらせ
日時:12月17日、18時半開場、19時ころ開始
会場:日本SGIホール(恵比寿)
http://www.sgi.co.jp/company_info/map1.html SGI Hall (B1F)
http://www.morganstanley.co.jp/aboutms/map/image/map_e.gif

お題:GRAPE, GRAPE-DR と HPC の将来
発表者: 牧野淳一郎(国立天文台・天文シミュレーションプロジェクト)さん
内容:
これまで、東京大学・国立天文台で開発してきた天文シミュレーション用専用計算機 GRAPE と、それを基礎により応用範囲を広げることを目標に現在開発中の GRAPE-DR の紹介を中心に、国家プロジェクトである次世代スーパーコンピュータープロジェクト等にも触れつつ HPC の将来像について検討したい。

18:30頃、開場(自己紹介、LT(Lightning Talks))
19:00頃、お題開始
20:00頃、お題終了、懇親会場へ移動
20:15頃、懇親会開始

場所は日本SGIホール(恵比寿)ですのでお間違いないように
http://www.sgi.co.jp/company_info/map1.html SGI Hall (B1F)
http://www.morganstanley.co.jp/aboutms/map/image/map_e.gif

開場した後は、だらだらと自己紹介やら小ネタやらをやりますので、時間の許す限り早めに来た方が面白いお話をきけるかもしれません。

懇親会はやっぱ、いつもの銀座ライオン。http://r.gnavi.co.jp/g112600/
5000円程度(学割1000円ポッキリ)
懇親会参加希望の方は懇親会と記してください。また学生さんは、学割希望と明記してください。

登録はいつもの宴会君
http://utage.org/enkai/
宴会コード kernel071217

会場の都合で80名で締切ます。
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下記のブログでは、地球ミュレータの次の開発計画について批判しているが、牧野先生から見た次世代スーパーコンピュータ開発計画についてのコメントをお聞きしたい。

スパコンの戦艦大和「京速計算機」 -- 池田信夫blog
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/7a0b5fd9f33ff6d2be7f8e8255b7007f

コンピュータの「戦艦大和」はもういらない -- 池田信夫blog
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/fd6f41ee4f521ae5adf73b7980c8a26d

セキュリティキャンプ・キャラバン with プログラミング 2007

セキュリティキャンプ・キャラバン with プログラミング 2007って、なんだ?それは、早期IT人材育成プログラムのひとつである。じゃあ早期IT人材育成プログラムってなんだよ、ということなのだが、主に10代から20代前半を対象に次世代のIT産業を担う人材を育成しようという試みである。わたしが審査員をやっているU-20プログラミング・コンテストや、セキュリティキャンプ、未踏ユースなどがそのカテゴリに入ると思う。

セキュリティキャンプは2004年度より毎年開催している若い人を対象としたセキュリティ意識向上のためのプログラムである。特徴はなんと言っても合宿形式、だからキャンプという、だろう。セキュリティのプロによる講義と、実習。

そのキャンプ自身を知っていただくために、全国行脚をするというのがセキュリティキャンプ・キャラバン with プログラミング2007だ。後ろにプログラミングというのが無理矢理(?)くっついているが、これはもちろん、若い人にセキュリティだけではなくて、プログラミングの楽しさ、面白さも知ってもらおうという思いも盛り込んで、セキュリティキャンプ・キャラバンに相乗りしたのである。

わたしも、今回その実行委員に名を連ねていて、次回の大阪にキャラバンする。若い人たちと直接語りあいたい。プログラミングの楽しさを語り合いたいと思う。参加自由なので、大阪界隈の皆さんの多数の参加をお待ちしている。特に10代の皆さん、よろしくお願いします。

http://www.jipdec.jp/camp/caravan/caravan_osaka.html

ニコニコ動画(RC2)への公開について

先日公開した、ソースコードの読み方の講演なのであるが、おかげさまで「はてなブックマーク」の人気エントリ入りしたので大変なアクセスをいただいた。どうもありがとうございます。

ソースコードの読み方(ニコニコ動画(RC2)で公開) -- ユメのチカラのブックマーク ソースコードの読み方(ニコニコ動画(RC2)で公開) -- ユメのチカラ

コメントでニコニコ動画(RC2)ではなくてYouTubeへアップしてほしいというご意見も複数いただいた。コメントありがとうございます。

確かに画像はしょぼいし、ガサゴソ雑音はひろっていて音質は良くない。無駄にオープニングが長い。わたしの顔なんかどうでもよくてプレゼン資料だけを写していればいい。その点、まつもとさんが一秒も画面に登場しない画像の方が、再生したときむしろ見やすかったりするから面白いものである。たとえ家庭用ビデオでも、どーにか話をきけるのである。なにが幸いするかわからない。

などなど、ご批判も多々あるかと思うが、そのご批判をあえて承知した上で、公開しないより公開した方が百倍ましだと考えた。

Release Early, Release Often(素早い公開、頻繁な公開)の精神である。

情報は公開すると進化する。

そのようなパラダイムを信じるものとして、オープンソースはまさにそのような精神を信じるもの達によって進化してきた、たとえ若干品質が悪くても公開しないより、公開した方が絶対よいと考えた。

YouTubeではなくてなぜニコニコ動画(RC2)を選らんだかというと、ひとえに画面にコメントがつけられるというところかと思う。

「あたりまえすぎ」というようなコメントも頂いたが、正にそのようなコメントを頂きたく、わざわざニコニコ動画(RC2)を選らんだのである。

ソースコードの読み方とかトラブルシューティングというのに王道はない。あたり前のことをあたり前に愚直にやる。その意味で「あたりまえすぎ」というコメントは、とりようによってはトゲのあるコメントに聞こえなくもないが、実は、わたしにとっては、してやったり、プレゼンにこめたメッセージの幾許(いくばく)かは確実に伝わったなあとほくそえんだところである。

余談であるが、あたり前のことを続けると特別になるという事は覚えておいても損はない。普通は、あたり前の事をあたり前にやるのが一番難しいのである。(閑話休題)

「ものたりない」というコメントは、もっと濃いバージョンの講演に対する需要があるという事がはっきりあらわれているわけである。

セミナーではアンケートをとるが、それでも、具体的な感想、フィードバックというのは、ほとんどとれないのが実状である。特に厳し目のコメントというのは、日本人はどうも奥ゆかしい(?)のかほとんど得られない。

それをオンラインで得られるというのは大変貴重な事である。

また技術セミナーとかは参加できる人は物理的に限られている。一箇所せいぜい100人である。今回のビデオの再生数は有に1000を越えている。時間と空間を越えて情報を発信できるわけである。

見る人にとっては、画質の問題等たしかに改善すべき点は多々あるが、今まで全然見られなかったものが、見られるようになるという大きなメリットがあり、提供する側にとっては得難いフィードバックを得られるというメリットがある。

双方にとって正にWin-Winの関係である。

ちょっとした試みであるが、今後とも続けていきたいと思う。これをまねする組織や個人がどんどん出てきたら面白いと思う。

ニコニコ動画(RC2)で世界に情報発信(笑)を合言葉にニコニコしよう。


ソースコードの読み方(ニコニコ動画(RC2)で公開) -- ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/11/rc2_e981.html

まつもとゆきひろさんの講演(ニコニコ動画(RC2)で公開) -- ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/10/post_3663.html

Rubyのまつもとさんの講演をニコニコ動画(RC2)で公開するまで -- ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/11/rubyrc2_8c2c.html



ソースコードの読み方(ニコニコ動画(RC2)で公開)

Asianux Road Showで行なった、わたしの講演「Linuxトラブルシューティング、ソースコードの読み方」をニコニコ動画(RC2)で公開します。

まあ、言ってみれば入門編というか基礎編みたいなものです。実践編、実際にコードを見ながら、あれやこれやするようなワークショップが必要かと思うのですが、今回はそこまでは行っていません。

お楽しみください。

まつもとゆきひろさんの講演(ニコニコ動画(RC2)で公開) -- ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/10/post_3663.html

Rubyのまつもとさんの講演をニコニコ動画(RC2)で公開するまで -- ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/11/rubyrc2_8c2c.html

イベント:トラブルシューティングの手法、ソースコードの読み方 Asianux Road Show  -- ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/10/asianux_road_sh_6cff.html

ソースコードの読み方 -- ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/08/post_d6bd.html

第81回カーネル読書会のおしらせ

第81回カーネル読書会のおしらせ
日時:11月19日、18時半開場、19時ころ開始
会場:ミラクル・リナックス、セミナールーム

お題:ストレージエリアネットワークの開発動向とLinux Kernel Summit報告
発表者:藤田智成さん(NTTサイバーソリューション研究所)
概要:ストレージエリアネットワーク技術に関するLinuxの開発状況,及び,9月に開催されたLinux Kernel Summitについて報告する.

18:30頃、開場
19:00頃、お題開始
20:00頃、懇親会開始

場所はいつもの、ミラクル・リナックス社セミナー会場地図
http://www.miraclelinux.com/corp/about/maps_google.html

開場した後は、だらだらと自己紹介やら小ネタやらをやりますので、時間の許す限り早めに来た方が面白いお話をきけるかもしれません。

会場で、ピザとビールの懇親会つき。(予定価格1000円)
懇親会参加希望の方は、懇親会参加と明記してください。

登録はいつもの宴会君
http://utage.org/enkai/
宴会コード kernel071119

会場の都合で35名で締切ます。

自分が何をできるか

対案のない批判は単なる床屋談義であり、新橋の飲み屋でやってくれという空気を感じたので、自分のできる事を考えた。

実のところ、新橋の飲み屋で楽しく飲むのは大好きである。飲めば飲むほど饒舌になる。単なるヨッパライのおやじである。ブログなんていうのは所詮世界規模のヨタ話である。閑話休題

まあ、偉い人を批判するのは簡単である。大企業を批判するのも簡単である。あー、すっきりした、という感じである。じゃあ、おまえは、どれだけエライのか。そーゆー感じである。ご説ごもっとも、おっしゃるとおりである。

わたしはコンピュータが好きだ。プログラムを読んだり作ったりすることが好きだ。こーゆー事を書くと、おめー頭おかしいんじゃないか、と思われたりするのだが、昔はそれを口外するのがはばかられた雰囲気があったのかもしれないが、この年になると憶面もなく、そーゆー事を声を大にして言う。別にそーゆーことを声を大にして言っても、誰の迷惑になるわけでもないので、言ってもいいのである。人と違ってもいいのである。

ソースコードを読むのが趣味ですなんていう奴は世界広しと言えど、そうはいないと思っていたら、意外と同好の士は少なくなくて、インターネットのおかげで簡単に、そーゆー人と出逢う事ができてカーネル読書会などという変な会合も80回を数えることができている。

別に産業構造として日本のIT産業に国際競争力がなくてもいいという立場の人もいなくはないが、もちろんわたしはそのような立場をとらない。

なぜか。

日本から、そーゆー産業がなくなってしまうと、わたしの好きなプログラムをする人達がいなくなっちゃって(ここは極論だよ)、カーネル読書会みたいな変な会合が益々ニッチになってしまって、つまらないからだ。

もっと言えば、わたしはカーネル読書会で、OSの話だけではなくて、CPUプロセッサの話とか、キャッシュの話とか、IOバンド幅がどうだとか、RDBMSの上半分と下半分の実装がどうだとか、様々なある意味多くの人にとってどうでもいい、だけどそれを実装している人にとっては非常に重要な文字どおり命を削ってでも一生懸命作るなにものか、そしてそれを作ったその人達と語りあいたい。喜気として技術を技術として語りあいたい。

そのような場を日本という地域で持てれば幸せだと思っている。東京はおかげさまで人口密度も高いので、そーゆー変な人達がいっぱいいて、夜な夜ないろいろな勉強会だかヨタ話だかわからない会合が開催されている。楽しいではないか。

技術を大事にする会社もあれば大事にしない会社もある。それはそれ、これはこれ。

人は食うために仕事をする。これも事実である。

自分がやりたい仕事例えば開発の仕事が、その会社でなければ、どうするか。選択肢は二つ。会社に残って別の仕事をする。もう一つは、その仕事がある会社を探して転職する。

大きな会社ほど、社内にいろいろな機会がある。これも事実である。

小さな会社は、あれもこれもできないから、あれ専門か、これ専門かである。

わたしは、大学を卒業して、米国のハードウェアベンダーの日本法人の研究開発部門に就職した。80年代の前半である。IBMに次ぐ世界第二位の規模の会社であったが今はその会社はない。(20代のころ

ソフトウェア製品を作るのは大変の事はもちろんいっぱいあるけど、それ以上に製品を作るという喜びがあった。ソフトウェアエンジニアリングのイロハを教えてもらった。

その後、いろいろあって日本オラクルに転職し、縁あって米国Oracleへの出向し気がついたら30代後半はせっせとコードを書いていた。

シリコンバレーのソフトウェア企業は間違いなく技術者を大切にする。そのような会社が競争力がある。もちろん、技術にあかるくない、とんがった頭のマネージャもいなくはないが、おたくはおたくとして心地良く生きられる空気がある。

ソフトウェアによって世界を変えてやろうという夢を持ったハッカーがいる。それで一山あててやろうという山師もいる。

で、自分にできることといえば、ソフトウェアの開発が面白い、楽しい、一生の仕事にたる価値のあることだと言うことを地道に伝える努力をすることだと思う。

エライ人に会う機会があったら直接言ってみる。若い人にあったら直接言ってみる。リアルでの機会を見つけて言ってみる。それを愚直に続けることぐらいしかわたしにはできないだろうけど、それをやる。

IPAのエライ人やNTTデータのエライ人に直接会う機会がある僥倖を利用して直接言ってみたいと思う。

IPAフォーラムって実はそーゆー機会を提供してくれたんだよね。実は午後からのセッションに参加して、午前中にそんなセッションがあったということを露知らず、エライ人に、コミュニティーがどうだとか個人を主体とした開発がどうだなんてなんて、ヨタ話を懇親会の場でかましていたのだ。そして、若い人に、あなた達の話をエライ人たちがメモを取りながら聞いていたよ、世の中変わるよ、君たちのコードでという話をしたいたりしたのだ。

エンジニアは文鎮に敬意を - Blog-side

業界の重鎮に対して、我々エンジニアは、敬意を示すべきなんじゃないか。

もちろん、おっしゃるとおりだと思う。そして、あなたの言うとおり、機会をみつけてお話をする努力もしている。

イメージを形にできない人は減衰する - 404 Blog Not Found

ビジョンを語るのは文鎮の仕事じゃない。あなたの仕事である。

ありがとう。精進したいと思う。


 

若い人に人気のない産業は衰退する     http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/11/post_1ab2.html

20代のころ -未来のいつか/hyoshiokの日記
http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20040909

若い人に人気のない産業は減衰する

未来をイメージできない産業に人は集まらない。IT産業は人がすべてである。魅力のない産業は減衰する。

IPAフォーラム2007
【討論会】
「学生から見たIT産業」と「IT産業から見た学生」
~IT産業は学生からの人気を回復できるか~
http://www.ipa.go.jp/event/ipaforum2007/program/discussion.html#tou-1

参加者がすごい。業界の重鎮。岡本晋氏(TIS株式会社 代表取締役社長)、浜口友一氏(社団法人情報サービス産業協会 会長、株式会社NTTデータ 取締役相談役)、藤原武平太氏(IPA 理事長)。

当日、このパネルディスカッションに参加していないので、下記の報道で様子を窺うしかないのであるが、「業界の重鎮もたじたじ」だったそうである。

IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ - @IT
http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html

この報道だけでは、なかなかその空気がわからない。IT産業の夢とかビジョンを雄弁に語られたのだろうか。

IT産業のイメージに対して、『岡本氏は「モノをつくっている会社は、イメージがモノで通じている。われわれの業界はモノを作るといってもソフトウェア、もしくはサービスを提供している。目に見えてイメージはわかないかもしれない。インターンなどで実態を見てからもう1度考えていただければいい」と学生を諭した。』と答えているようであるが、業界の重鎮が明確にビジョンを語れなくては困る。

コンピュータシステムによって世界をよりよくしていくのが使命なのではないか。ソフトウェアによって世の中を便利にしたり豊かにしているのではないか。

IT業界はどのような学生を求めているかに対し、『重鎮たちは「コミュニケーション能力に長けている人」(浜口氏)、「チャレンジングで好奇心旺盛な人」(岡本氏)』を挙げたそうであるが、営業だって、企画だって、コミュニケーション能力が必要であろう。IT技術者に専門性は必要ないのか。

業界の重鎮が学生に学生時代には専門を一生懸命勉強してきてくださいと言わなくてどうする。学校の成績がいい学生が実務で使い物にならないとしたら、教育機関にもっと実践的な教育を要求しなくてはいけない。例えば自動車のエンジンを設計する部署に文系の学生が採用されるか。ありえないと思う。機械科なりを卒業した学生が前提であると思う。

OSSのプロジェクトに参加することをわたしは強く勧めるが、学校で基礎を学ぶことは重要だと思う。

というようなことも考えていたのであるが、当日討論会に参加していた、学生さんの日記が下記にある。

IPAフォーラム2007で討論してきた - 東大MOT学生の奮闘記http://d.hatena.ne.jp/itoyosuke/20071101/1193932945

討論会の内容は報道されているよりも、さらに厳しい。

BtoBのビジネスをしている企業の業務が学生から見えにくいのは当然で、見えにくいなりに工夫をしないといけないと思う。でも、パネリストの口ぶりからは見えにくいのは当然のことで問題と感じていないというような雰囲気が伝わってきた。興味を持たなければ、インターンにも来ないだろうに。

ソフトウェアはモノではないからイメージしにくいというのは昔から使われていた言い訳である。先日NHKで放送された、「ポアンカレ予想」の番組は数学というもっと抽象的なものを見事に具体的イメージとして表現していた。プログラミングの楽しさ、面白さをもっと伝える努力がこの業界には圧倒的に足りないのである。問題と感じていないことが問題なのである。

ITを専攻している学生達からは、「就職時にITスキルが問われないのだとしたら、大学でやっていることには何の意味があるのか」という質問が出ていたのだけど、明確な回答はなかったと思う。その人たちは、ちょっとショックを受けていたような気がする。

大手SIベンダーの問題がここに垣間見られる。専門性を必要としない仕事なのか。それを言っちゃあおしまいよという事である。

その流れで、「入社時にITのスキルを問わないというのは、Googleのような企業の方針とは反対であるが、それですばらしいサービスを作ることができるのか」という質問が出たのだけど、「Googleの開発と日本のカスタムメイドなシステムを作るSIerの開発は違うもの。Googleはスモールチームで仕上げるが、日本は製造業的にラインを組んで仕上げるため、いろんな人材が必要になる。」とのこと。単に効率の悪いシステム開発をしているということではないかと思ったのだが、どうなのでしょう。使っている言語も違うだろうし、一概には比べられないかな。

大手SIベンダーからは銀行のオンラインシステムは作れるかもしれないがニコニコ動画とかmixiは絶対作れないということがよく分かる

この業界では、いつも「人材育成」がどうだということが語られるが、失礼ながら業界の重鎮がこの程度の認識だと、この程度の認識の人間しか集まらない。若い人たちに興味を持ってもらうためには、この業界の存在意義、ユメや志、ビジョンを熱く語る人が必要とされている。そして若い人たちがいっぱい就職したいと思う業界にこそ世界のトップノッチの人材が集まるのである。

誰もがまつもとゆきひろにはなれないが、教育と訓練と仕事の経験をつめれば、優れたプログラマにはなれるのである。ユメや志やビジョンを共有できなければモチベーションが続かない。それを語り続ける重鎮が必要なのである。

ブックマークのコメントも参考になる。

ブックマーク:IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ - @IT
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html

ブックマーク:IPAフォーラム2007で討論してきた - 東大MOT学生の奮闘記
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/itoyosuke/20071101/1193932945

NHKスペシャル、「100年の難問はなぜ解けたのか~天才数学者 失踪の謎~」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/071022.html

Rubyのまつもとさんの講演をニコニコ動画(RC2)で公開するまで

予想通りRubyのまつもとさんの講演のニコニコ動画(RC2)での公開は大好評である。うれしい。とってもうれしい。

まつもとゆきひろさんの講演(ニコニコ動画(RC2)で公開)
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/10/post_3663.html

すぐにブログのネタにしてしまう、わたしもわたしだがせっかくのネタなので惜しまずに公開する。

Asianux Road Showというのは新製品のマーケティングキャンペーン(宣伝活動)なので弊社のマーケが企画運営している。企画会議があって会議室の中で決まる。まあ想定の範囲内である。どこの会社でも似たような(?)ものだと思う。

いつのころかにマーケから相談があって、講演をどうしましょうか、よしおかさん何か一本お願いしますよ、という話になった。特別講演についてはスポンサー企業枠以外に技術ネタで誰かにお願いするというところまではすぐに決まったのだが、では誰にするか。わたしとしては、自分が聞いてみたい人にお願いするという線で、まつもとさん以外ありえないだろうということになる。即決である。

ネクタイ締めている人にも知名度があり技術的にも面白いし何よりエンタープライズでRubyだなんだと旬でもある。思い立ったら吉日でまつもとさんに直談判して無理やり(?)お願いする。実は講演の場所は、ここだけの話、当初は福岡でお願いしていたのだが日程の調整がつかず急遽東京になった。東京の人はラッキーだったが、福岡の皆様ごめんなさい。なんで福岡かというと、それだけで一本ブログが書けるのであるが、長い話をはしょるとRubyは福岡だろう、さすがに松江までは冒険できないけど、という思いである。それはともかく日程の調整もつき東京で講演をしていただくことになる。

当日、多数のご来場をいただき、会場は満員である。うれしい。とってもうれしい。

わたしのしょぼい講演も無事終わり、まつもとさんの登場を控え室で待つだけになる。事務局に聞くと、ビデオは持ってきているが特に撮影の用意はしていないと言っているので、いかんいかん、まつもとさんの講演を撮影しなくては世界的な損失である、と急遽家庭用ビデオで撮影をしてもらうことにする。休み時間を利用して、会場の前の方(前方に向かって左側)にビデオを設置した。ばたばた。どたばたである。危ない危ない。

わたしとしては当初より動画を公開するならYouTubeではなくニコニコ動画(RC2)だろうと思っていたので躊躇なくニコニコ動画(RC2)。問題はサイズがMPEG2で2GBを優に超えるので画質を落として編集しなくてはいけない。わたし自身、全然そっち方面に詳しくないし、そもそも画像編集ソフトなんてものは持ってもいない。YLUG(横浜Linux Users Group)のメーリングリストで聞いたところ宴会仲間が下記のURLを教えてくれた。

ニコニコ動画 まとめWiki エンコード設定
http://nicowiki.com/encode.html

拓かれた世界へ向かっての山田が早速画像編集をしてニコニコ動画(RC2)にアップしたのが10月26日深夜である。

まつもとさんの講演はそれだけで価値があるしそれを会場にいた人だけに占有させるのはもったいない。講師によってはそれを飯の種にしていて公開したくてもできないというの人もいるが、まつもとゆきひろさんはオープンソースの人である。公開の利益不利益を体で理解している。わたしが細かい説明をするまでもなく、「講演をビデオ撮影して公開したいのですが」、「あ、いいですよ」という感じで快諾をいただく。さすがである。素晴らしい。

昨年、梅田望夫さんと対談したときに彼もYouTubeで公開を前提にやっていて、やるなあと思ったものであるが、徐々にそのような人たちが増えてくるとうれしい。

そして10月30日、朝にブログで公開し、あわせてruby-listやmiracle-usersなどのメーリングリストでアナウンスをした。

まつもとゆきひろさんの講演(ニコニコ動画(RC2)で公開)

Asianux Road Show in Tokyo (10/16開催)での講演のビデオです。どうぞ、お楽しみ下さい。まつもとさん、ご講演ありがとうございました。

「まつもとゆきひろはなぜプログラミング言語をつくったのだろう」もあわせて読みたい。

まつもとゆきひろはなぜプログラミング言語をつくったのだろう

先日のAsianux Road Show (東京)は大盛況だった。参加いただいた皆さんどうもありがとうございました。(ぺこり)

大阪、福岡もまだまだ会場に余裕がありますので、ふるってご参加ください。

さて、特別講演でRubyのまつもとゆきひろさんにお話をいただいた。この講演に関しては、自分が聞きたい人にお話してもらうというカーネル読書会メソッドとも言うべきもので、まつもとさんには無理を言ってお願いした。(まつもとさんには「よしおかさんの頼みを断れなかったからだ。人脈というのはこのように活用するのね」といわれてしまった(笑))

それはともかく、弊社営業も、すごいということがよくわかりました、と感動していた。しかし技術者(プログラマ)でない人達にまつもとゆきひろの凄みを説明するのはなかなか難しい。

社内反省会(懇親会のあとの飲み会とも言う)で、その営業がわたしに「なんでプログラミング言語なんて作ったんでしょうね」と聞いてきた。一見簡単そうなこの問い。なんでなんだろう。哲学的な問いである。

なんでだろう。

ふつーだったら、プログラミング言語を新規に作ろうなんて事は思わない。わたしは高校、大学時代、ちょっとは思ったが、そーゆー人間は、そんなにはいない。30年以上前にBASICを作った大学生はいまや世界一の大金持だが、そーゆー人間はふつーいない。わたしは昔昔、BYTE magazineだったか何だったかにAPLのインタプリタが載っていて、当時パソコンなんてものは持っていなかったので、その記事を穴があくほど読んだ記憶がある。(http://www.vintage-computer.com/byte.shtmlによれば1977年8月号だったようだ)

わたし自身、言語オタクの片鱗はあったかもしれないが、プログラミング言語を新規に作った経験はもちろんない。

まつもとさんはプログラミング言語を作っただけではなく、それを10年以上コツコツ拡張し続けている。

これは驚異である。奇跡(?)である。

いまでこそまつもとさんの背中を見てプログラミング言語を作ってしまおうなどという蛮勇を持った若者が出てきているが、ふつーはそんなことは考えもしなかった。

しかし、よく考えてみるとLinusも自分でOSを作りたかったから作ったわけで、それがいつのまにかにIBMだOracleだIntelだがが勝手に注目して勝手にエンタープライズだなんだとよってたかって改良に従事しはじめたわけで、その中で、ビジネスだなんだとネクタイを締めているオトナが大挙してきた歴史があって、それと昨今のRubyにまつわるビジネスシーン(?)も似ている。

ハッカーがプログラムを作る。誰かが使う。誰かが改良する。どんどん利用者が増えてくる。どんどん開発者が増えてくる。改良の速度が加速して、ますます適用範囲が拡大する。それでビジネスをする人も増えてくる。益々適用範囲が拡大する。

凡人は、新しいプログラミング言語を作ろうなんて思わない。偉大なハッカーは、それを実装するだけではなく10年以上それを続ける。そして人々から尊敬をあつめる。

プログラミングを続ける情熱は一体どこから来るのであろう。

おおきな謎は謎としてとっておきたいと思った。

イベント:トラブルシューティングの手法、ソースコードの読み方 Asianux Road Show

Asianux Road Showでわたしも発表するということは、下記のブログでもご紹介したとおりだ。

Asianux Road Show、まつもとゆきひろさんの講演/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/09/asianux_road_sh_e0d7.html

このブログのブックマークを見てみると下記のとおりで、トップがソースコードの読み方で次がデバッグ方法論である。

8/27 ソースコードの読み方 このエントリーを含むはてなブックマーク
8/31 デバッグ方法論 このエントリーを含むはてなブックマーク

このブログの読者の興味のあるところをお題拝借してセミナー形式でお話しようというチャレンジである。今まさに資料を作成中なのであるが、トラブルシューティングとコードリーディングという観点からまとめている。

トラブルシューティングの基礎あたりからはじめて、問題の再現、問題の理解、問題の解決みたいなプロセスの中で、コードを読むという行為は問題の理解のプロセスの中心的(?)な役割をになう。

コードを読む力が技術者にとってなぜ必要なのか。なんてことを語れたらいいと思うのだが、全然まとまっていない。

なかなか難しいが皆様の多数の参加と懇親会での質疑応答を楽しみにしている。奮って参加してほしい。

21世紀のプログラムは君たちが作る

U-20(Under 20)プログラミング・コンテストの入賞者向けのまつもとゆきひろさん、g新部さんの講演会とその後のワークショップ、そして授賞式に参加した。071001_18000003_2 

ワークショップでは、受賞者の皆さんと審査員との間での質疑応答があった。まつもとさんやg新部さんはどう考えても、ふつーのプログラマではないので、若いプログラマがすぐに彼らになれるかというとなかなかそうはいかないが、それでも、野球少年とイチローや松井との対話みたいな感じにはなると思う。

若手プログラマにとっての「まつもとゆきひろ」的なロールモデルは絶対必要である。この手のワークショップはなかなかスケールしない、すなわち規模の拡大は難しいが、それでも、若い人たちに語り続けることは重要である。

IT産業を3K産業などと揶揄するむきもあるが、仮にそのような状態があるとしたら、そのような状態を作っている企業人の責任は重い。若者に希望を与えるような産業構造にする義務が我々企業人にはある。その道は遠いが一人の企業人として、自社の仕事環境から少しでも理想に近づけることをし続けなければならない。

授賞式のあとの懇親会では甘利経済産業大臣も参加してU-20の皆さんと懇談していた。

071001_18020002まあ、それはともかく、若い人たちとの会話は凄く楽しかった。

21世紀のプログラムは君たちが作る。活躍を期待している。


21世紀のプログラムは君たちが作る/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/09/21_4f64.html

U-20プログラミング・コンテスト/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/09/u20_927d.html

U-20プログラミング・コンテスト公式ページ
http://www.jipdec.jp/procon/

(別紙2)平成19年度 U-20プログラミング・コンテスト入選作品の表彰(PDF形式
http://www.meti.go.jp/press/20070914003/20070914003.html

なお、平成19年度情報化月間情報化促進貢献個人表彰、経済産業大臣表彰「情報化促進部門」をまつもとゆきひろさんが受賞している。おめでとうございます。071001_16390001
http://www.meti.go.jp/press/20070914003/01_bessi01.pdf






10月5日追記:"21世紀のプログラムを作る君たち"に伝えたかったことhttp://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20071003/283741/ 日経ITPro高橋さんが素敵な記事を書いてくれた。「ネットの向こうにいる仲間を信じよう。」

Asianux Road Show、まつもとゆきひろさんの講演

Asianux Server 3の出荷を記念して、Asianux Road Showを東京、大阪、福岡で開催する。東京では、Rubyのまつもとさんにご講演をいただく。

なにやら、無理矢理お願いしちゃった感じで恐縮である。

まつもとさんの講演以外にも、わたしも僭越ながらちょびっと登場するし、豪華景品(ものでつるのかよ)があたる、抽選会もあるので奮って参加いただきたい。

エンジニアのためのテクニカルセミナー
2007年10月16日(火) 東京
2007年10月24日(水) 大阪
2007年10月31日(水) 福岡

正直言って、大阪、福岡の集客がまだまだなので、大阪、福岡在住の方は、ぜひご参加いただき、わたしと握手だ。(なお、まつもとさんのご講演は東京のみですので、そこんところはよろしく)

Asianux Road Show
http://www.miraclelinux.com/corp/event_seminar/2007/1016_1031_1.html
Asianux Road Show/東京のご案内。
http://www.miraclelinux.com/corp/event_seminar/2007/1016_1.html

Lightning Talks

最近のカンファレンスでは、ごくごく軽量のアイデアの発表の場としてLT (Lightning Talks) というセッションがある。

時間はだいたい5分。5分をすぎると強制的に打ち切り。容赦なし。

5分というのは、どーでもいい発表については何十分も聞かされなくていいので、観客に優しい。

5分というのは、これを聞いてくれというエッセンスを凝縮できれば、準備もそんなに大変じゃないので、発表者にも優しい。

エネルギーをそんなに使わないので環境にも優しい(ほんまかいな?)。

5分じゃ何にも伝えられないではないか、と思ったあなたはまだまだ青い。5分で伝わらないアイデアというのは、5時間でも伝わらないのである。自分の思いを5分間でぎゅぎゅっと圧縮できなければ、その程度のアイデアなのである。

最近ではLTが若者の発表の鍛錬、訓練の場になってきていて、どちらかというと一発芸の披露の場という感じがしないでもないが、それはそれでいいと思う。若者だけではなくわたしのようなロートルもどんどんLTで自分のアイデアを熱く語ってみるべきだと思う。5分間一本勝負なので、老いも若きも同じ土俵でアイデア勝負である。

なかなか楽しいではないか。

ライトニングトークスの歴史(懸田剛)
http://giantech.jp/wiki/LTHistoryForEM

ライトニングトークス入門(天野良)
http://mugiwara.jp/ki2/wifky.pl?p=%5BEngineerMind%5D%A5%E9%A5%A4%A5%C8%A5%CB%A5%F3%A5%B0%A5%C8%A1%BC%A5%AF%A5%B9%BF%E5%C0%E8%B0%C6%C6%E2

よしおか賞とAsianux Server 3出荷記念

というわけで、よしおか賞を昨日発表した。
9月18日は記念すべきAsianux Server 3の出荷日でもある。
http://www.miraclelinux.com/products/linux/axs3/campaign.html

ベータテスト参加者を公募してフィードバックをいただくというのは弊社としては初めての企画で、応募いただけるかどうか不安な点も多々あったのだが、無事応募いただいた。ありがとうございます。

賞品につられた(?)という話もなくはないが、わざわざベータ評価をいただきまことにありがとうございました。

一つ一つコメントを読まさせていただいた。開発者一同感謝したい。

選考の方法については上記URLを参照していただくとして、今後ベータテスト等を実施する場合の貴重な経験となった。利用者と一体となったバザール的な開発方法への模索についても今後の課題としたい。

また、Asianux Server 3出荷を記念しAsianux Road Showを開催する。

http://www.miraclelinux.com/corp/event_seminar/2007/1016_1031_1.html

テクニカルセッションも満載なのでお時間のある方は奮って参加いただきたい。

10月16日、東京
10月24日、大阪
10月31日、福岡

U-20プログラミング・コンテスト

今年もU-20プログラミング・コンテストの審査員を勤めさせていただいた。既に経済産業省から個人、団体部門の入賞作が発表されている。(別紙2) http://www.meti.go.jp/press/20070914003/20070914003.html

特に団体部門の最優秀作品の完成度は高く、審査員一同う~んとうなってしまった。

ゲーム関係の作品は正直わたしがゲームをやらないので、作品性とプログラミングからの観点からの評価とが難しいところであるが、どれも力作ぞろいであった。

若者のプログラムを見るのは楽しい。

10月1日の授賞式で再会するのが楽しみである。

U20プロコン最終審査会/Matzにっき
http://www.rubyist.net/~matz/20070901.html#p01

北東アジアOSS推進フォーラム

OSSを推進する目的で設立された官民の団体、日本OSS推進フォーラムであるが、日中韓のOSS推進フォーラムが一同に会する会合が今週韓国ソウルで開催される。
わたしも出席する予定。

http://www.ipa.go.jp/software/open/forum/north_asia/index.html

民間レベルで言えば弊社のAsianuxプロジェクトが先行しているが、政府レベルを巻き込んだ日中韓のプロジェクトはこの北東アジアOSS推進フォーラムだろう。

成果については適宜このブログなどでお知らせする。

フリーソフトウェアの価値観

80年代に消滅しかけたハッカー倫理を実現するコミュニティは、リチャード・ストールマンの孤軍奮闘ともいうべき活動によって細々とだが生き延びていた。

リチャード・ストールマンはソフトウェアは私有すべきではないという信念のもとFSF (Free Software Foundation)を立ち上げ、GNU (GNU's Not Unix) というUnix互換のOSを作ろうとしていた。エディタ(emacs)、コンパイラ(gcc)、shell script (bash)、デバッガ(gdb) などなど様々なフリーソフトウェアを精力的に開発し、公開していった。

MITのAI研究所はLispマシンの商用化によって壊滅的な打撃をうけていた。優秀なハッカーたちは高給で商用Lispマシンベンダに雇用され、ソフトウェアの共有は、知的財産権の名の下に不可能になった。DECがPDP-10のサポート中止した結果、彼らのよりどころであるITSの未来も閉ざされた。

リチャード・ストールマンは占有ソフトウェアを書くくらいならウェイターにでもなったほうがましだ、だけどそれは自分の才能を浪費することになる、と後に語っている。

しかしながらリチャード・ストールマンの不屈の精神と努力によって80年代のGNUプロジェクトは着々と成果をあげていた。OSカーネルを除いては。

そして90年代Linuxが登場する。当時フリーのPC UnixといえばBSD Unixを移植した386BSDなどいくつかのライバルがいたことにはいたが、BSD陣営はAT&Tとの訴訟問題を抱えていたし、開発方式も、ごく少数のコアメンバーによる開発という従来型の方式で、爆発的に普及するまでにはいたらなかった。

Linuxはそれらのソフトウェアとまったく異なる手法で開発されている。Linuxの開発は、ごく初期の段階から、大勢のボランティアたちがインターネット上で共同作業する形で進められていった。誰かがすべてを監視するワンマン体制によって維持されていたわけでもない。Linuxカーネルのクオリティはリリースを毎週行い、数日中に寄せられてくる何百と言うフィードバックを素早く反映して次のリリースを行なうという無邪気なほどに単純なアップデートを頻繁に繰り返すことで維持されていったのである。このようにリリースを極めて頻繁に行なうことで、Linuxカーネルに次々と追加されたコードの善し悪しは、進化論的に淘汰されていった。そして、この開発方式が成功したことに驚かぬ者はいなかった。中略。真のプログラマたちが活動の場とするインターネットが社会の主流に躍り出たおかげで、彼らの文化そのものも表舞台でもてはやされるようになった。
(真のプログラマたちの国ーー概略史、オープンソースソフトウェア、倉骨彰訳)

リチャード・ストールマンのはじめたフリーソフトウェア運動はリーナス・トーバルズという若者ハッカーとインターネットの勃興によって新しい形で再出発したのである。彼は古きよき時代を知る最後のハッカーであったが、インターネット時代の最初のハッカーはリーナス・トーバルズと言ってもいいと思う。

ビル・ゲイツに代表される、ソフトウェアのコピーなんてとんでもない、独占的な所有権を持つことで、開発投資を回収し、利益を得て技術革新を促進するのだ、という考え方は、ビジネスモデルとしては非常に分かりやすく、結果として彼を世界一の金持ちにし、マイクロソフトを世界一のソフトウェア企業にした。

ソフトウェア商用化は結局のところハッカーにとっても大きな影響をあたえ、ソフトウェアの印税を貰って金持ちになるという誘惑に多くのハッカーたちは抗えなかった。80年代から90年代のソフトウェアベンチャーはビル・ゲイツモデルのコピーと言えるだろう。

しかしながらハッカー倫理に象徴的に語られている、情報公開が善で、コンピュータは世界を良く出来るという考え方は、人がなぜプログラムを作るのかという根源的な問いかけに、もちろん経済的な成功(金持ちになりたい)もあるにはあるけど、それ以外の動機もありうるのだということを示した点で興味深い。

Red Hatが株式公開をしたとき、梅田望夫は

レッドハットの勃興は、貪欲で力強い資本主義がオープンソースという怪物をもぐいっと飲み込んでしまった瞬間であった。「あどけない顔をした天才たち」は、あっと言う間に資本主義に飼いならされたのである。
資本主義に飼いならされたLinux。199ページ。シリコンバレー精神。梅田望夫

と記している。確かにフリーソフトウェアあるいはオープンソースが資本主義(ビル・ゲイツモデル)に飲み込まれたという空気もあった。

しかし、8年経ってみて、周りをみわたしてみると、情報公開は善で、コンピュータによって世界を変えてやるということを本気で思って実践している若きプログラマたちを沢山発見できる。

確かに彼らはリチャード・ストールマンほどフリーソフトウェアと声高には主張しないが、彼らは彼らが作ったプログラムによって世界になんらかのインパクトを与えることをモチベーションとしている。もちろん、経済的な動機が全くないといえばウソになるかもしれないが、それがトッププライオリティではない。

ビル・ゲイツに代表される知的財産権をたてにとったモデルと、フリーソフトウェア・オープンソースに代表されるハッカーモデルとで、どちらがより価値を継続的に生み出すのか。ハッカー的価値観を持った方法論というのが注目されている所以である。

先日開催されたITproチャレンジにはそのような若手ハッカーが集まっていたことを付記しておく。

ITpro Challengehttp://itpro.nikkeibp.co.jp/ev/challenge/index.html
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070906/281310/

オープンソースソフトウェア 彼らはいかにしてビジネススタンダードになったのか
http://www.law.co.jp/okamura/OpenSource_Web_Version/Web_version991206.html
Web版は無償で公開されている。

第2章、真のプログラマたちの国―概略史、エリック・S・レイモンドを参照。



ハッカー倫理/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/09/post_972f.html

ビル・ゲイツの手紙/ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/09/post_af17.html

ITpro Challenge/未来のいつか
http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20070907#p2
ITpro Challengeその2/未来のいつか
http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20070908#p2

ITPro Challenge無事終了/404 Blog Not Found
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50908309.html

カーネル読書会のおしらせ(第79回)

日時:8月23日、18時半開場、19時ころ開始
会場:ミラクル・リナックス、セミナールーム

お題:Fault Injectionについて
発表者:美田さん
Fault Injection はエラーをわざと起こし、通常テストすることが難しいエラー処理の部分をテストするためのフレームワークです。このしくみや使い方の説明、これまでにこれを使って検出したバグなどについて話す予定です。

18:30頃、開場
         Lightning Talks
19:00頃、お題開始
20:30頃、懇親会開始

場所はいつもの、ミラクル・リナックス社セミナー会場地図
http://www.miraclelinux.com/corp/about/maps_google.html

今回は一人5分の LT (lightning talks) も募集します。
LT発表希望の人は直接わたしまでメールでお題をください。

開場した後は、だらだらと自己紹介やらLTやらをやりますので、時間の許す限り早めに来た方が面白いお話をきけるかもしれません。

会場で、ピザとビールの懇親会つき。(予定価格1000円)
懇親会参加希望の方は、懇親会参加と明記してください。

登録はいつもの宴会君
http://utage.org/enkai/
宴会コード kernel070823

会場の都合で35名で締切ます。

LL魂

夏の祭典。LL Spirit (LL魂)  に行ってきた。

個人的な感想など。

昨年のLLゴングのパイプ椅子は、おじさんには拷問に近いものがあったが、今年のホールの椅子は適度に座り心地もよく快適であった。実行委員会の皆様、ご苦労様でした(ぺこり)。

和田先生は、あいかわらづお元気そうでなによりだった。ステーブンレビーのハッカーズの話からはじまって(この本はハッカー倫理を知るうえで重要なテキストなのである)、ハッカーズ大辞典などを紹介しつつ、ハードウェアハック(微分機械(?)って何みたいな)のお話など、大変楽しい講演であった。帰宅してから先の2冊を本棚からとりだしパラパラめくったのは言うまでもない。



しかし、オレ様言語の作り方でパネルディスカッションができちゃうほど日本という地域にはオレ様言語をつくっている人がいっぱいいるのね。すげーな、本音できたよ。という感じである。

学校でコンパイラの作り方とかは習うけど、オレ様言語を作ってしまえというような危険思想をうえつけられるということはまあない。オトナの事情というやつで、研究職に進む人には、言語では論文とおらないよ(これが殺し文句)、企業に行く人には、言語では食えないよ(これも殺し文句)。大抵はそれであきらめるのが良い子の姿である。

それにもかかわらづ、わらわらとオレ様言語一派が勃興しているのは、やはりRubyのまつもとさんの影響に違いない。諸悪の根源はまつもとである。

オレ様言語どころかハリボテOSと称してオレ様OSまで作ってしまう輩もわらわら居て、日本という地域の将来を深く憂えるものである。(これはまた別の話)

人の話を聞いていると、なかなか楽しそうである。オレ様言語という自分が神の立場になって、すべてを決定する世界観こそプログラミングの醍醐味のような気がしなくもない。(いかんいかん、だんだん危険思想にそまりつつある)。しかし寝る間もおしんでそんなことをしたら、体に悪そうだ。睡眠不足におちいりそうだ。仕事にも影響があるかもしれない。と考えるのがフツーのオトナである。

自分の世界観をオレ様言語に投影するというのは、これはやってみたものだけしかわからない快感があるらしい(伝聞)。危険な世界だ。麻薬みたいなものである。(とは言っても麻薬をやったことがないので、よくわからないのだけど)

自分も高校生くらいのときに、なんの役にたつのかわからないただプログラミングが楽しいというだけのプログラムを作っていたわけだが、モノ作りの原点というか何かを作りたいという欲求に素直になればオレ様言語作りというのも究極の趣味のような気がしないでもない。プログラミングを目的にしちゃいかんと、一方のオトナのわたしが囁くのであるが、一方のチョイワルオヤジ(死語)のわたしが気持ちイイことして何が悪いと囁くのである。和田先生なんて、一生(?)好きなことをやっていて世間から後指をさされていないではないか、そんな生き方もあるではないか、などと思ってしまう。

しかし、ただでさえ時間がないのに、人生のプライオリティのなかで、こーゆー無限地獄の趣味を持ってしまっていいのだろうか(オトナの判断)。しかし、金はかからないし、ギャンブルにあけくれて家庭崩壊ということではないし、まあいいんではないだろうか(悪魔のササヤキ)。と揺れ動くオヤジ心なのである。

LL魂というのは人の魂をわし把みにしてぐわんぐわん揺振るイベントなのであった。

恐しいイベントである。

(通勤電車の中でニヤニヤしながらオレ様言語を妄想していたというのはナイショである。)

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