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プロフィール

吉岡 弘隆 - よしおか ひろたか

日本OSS推進フォーラム ステアリングコミッティ委員
OSDL Board of Directorsを歴任
カーネル読書会主宰

2000年6月、ミラクル・リナックスの創業に参加。
95年~98年、米国OracleにてOracle RDBMSの開発をおこなっていた。
98年にNetscapeのソースコード公開(Mozilla)に衝撃をうけ、オープンソースの世界に飛びこみ、ついには会社も立ち上げてしまう。
2008年6月取締役CTOを退任し一プログラマとなった。

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第82回カーネル読書会の映像公開

びぎねっとの伊藤さんのご協力で第82回カーネル読書会の映像がGoogle Videoで公開された。伊藤さん、毎度ありがとうございます。(http://video.google.com/videoplay?docid=-5839382497664451611&pr=goog-sl)

第82回カーネル読書会のお知らせ--ユメのチカラ
http://blog.miraclelinux.com/yume/2007/11/82_8aba.html

牧野さんの発表資料は下記なので、資料をめくりながら聞くとよいと思う。銀河の誕生のシミュレーションはビデオを見る必要があるけど。
http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/talks/ebisu20071217.pdf

なお、牧野さんの各種資料は http://grape.mtk.nao.ac.jp/~makino/talks/index-j.html にある。

ポアンカレ予想

Asianux Road Showで大阪に出張したとき、たまたまつけた深夜放送でNHKスペシャルの再放送をやっていた。http://www.nhk.or.jp/special/onair/071022.html

そもそもポアンカレ予想なにそれのわたしだ。ビールで酔っ払った深夜、眠い目をこすりながら見た。じっくり見た。宇宙にひもをつけたロケットを飛ばす。なんだなんだ。宇宙を一周して地球に戻ってきたときそのひもをひっぱって回収する。なんだなんだ。何の話だ。そのひもがなんのひっかかりもなく回収できたら宇宙は丸い。ひっかかったらドーナツみたいな形をしている。そーゆー話らしい。

その証明は世紀の天才達が一生をかけこの100年チャレンジしたがつい最近ロシアの数学者が解答にたどり着くまで誰も証明に成功しなかったらしい。

数学に一切縁のないわたしですらぐいぐい引き込まれたエンターテイメントに仕上がっている。すげーなNHK、いい仕事をしているなあ。

こーゆー番組を見た中学生や高校生ぐらいの少年、少女が数学に興味を持って、いろいろ調べて、そっち方面の進路につくとか、そーゆー話があったら、それはそれで凄いことである。テレビにはそのくらいの影響力はありそうだ。

よっぱらいのオジサン(わたしのこと)ですら、思わずインターネットでポアンカレ予想なんてのを検索してしまった。何人の中高生が同様なことをしたのだろう。考えただけでわくわくする。

そんでもって話は一気に飛ぶのだが、コンピュータとかプログラミングとか、そーゆーものを中高生に興味を持ってもらうために、どんなことがわたし達にできるのだろう。

プログラミングすることの楽しさ、わくわく感、そんな経験をどうにかして伝えたいと思う。

若い人たちが一人でもコンピュータとかソフトウェアとかに興味を持ってもらうためにわたし達はどのような事ができるのだろう。どうすれば、その魅力を伝えることができるのだろう。

ポアンカレ予想のテレビ番組を見ながらそんなことを思った。何かいいアイデアがあれば、コメント、トラックバックを頂きたい。

ポアンカレ予想
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%AC%E4%BA%88%E6%83%B3

殆どの数学者がトポロジーを使ってポアンカレ予想を解こうとしたのに対し、ペレリマンは微分幾何学と物理学の手法を使って解いてみせた。そのため、解の説明を求められてアメリカの壇上に立ったペレリマンの解説を聞いた数学者達は、「まず、ポアンカレ予想を解かれた事に落胆し、それがトポロジーではなく(アメリカでは古い数学と見下されていた)微分幾何学を使って解かれた事に落胆し、そして、その解の解説が全く理解できない事に落胆した」という。(NHKスペシャル 2007年10月22日放送分 『100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪の謎~』 より。)

頭に豆電球がともる瞬間

よく、アイデアが閃いた時、頭に豆電球がともる絵を書くが、デバッグをしていて延々試行錯誤をしているのだけど全然解決の糸口すらつかめないとき、ひょんなところからぱっと解決策を思いつくことがある。

そのぱっと閃くまでの手順というのは通常再現することは難しい。思いついっちゃったんだからしょうがない。なんかいろいろ試行錯誤していたうちにたどり着いたというのが正直なところである。

その豆電球がともるまでの道のりは闇の中を彷徨しているようなものでストレスがたまるがぱっと閃いた瞬間の快感は経験したものでないと分からない。言語化するのが難しい。しかし、そのような経験をぜひ若手のエンジニアにも味わって欲しいと思う。そのぱっと閃く経験を積み重ねれば積み重ねるほどエンジニアとしての経験値、力量は上がっていくわけで、引出しの多いエンジニアになる。

コアテクの路地からのトラックバックを貰ってそんなことを考えた。

日常的な仕事の中では毎日毎日そんなに豆電球はともらないかもしれないが難しい問題でうんうんと唸っていた後に到達した場合は問題の難しさに比例する快感がある。山登りみたいなものかもしれない。

実はわたしは昔からカーネル開発者にあこがれていて、いつかはカーネルコミュニティにデビューしたいと思っていた。できることならばLinuxカーネルの性能向上に微力ながらでも貢献したいと漠然と思っていた。正真正銘のカーネルハッカーならば、鼻歌交じりに性能上の問題を発見しそれを修正するだろうがわたしのような素人は手も足もでなかった。

そこで、性能上のボトルネックを発見するにはカーネルプロファイリングツールが必要だということでhardmeterというツールを3年ほど前に開発した。そのアイデアは幸運にも未踏ソフトウェア創造事業に採択された。パフォーマンスチューニングをするときにプロファイリングをとってそのデータをもとに分析するというのはチューニングの王道中に王道である。しかし、hardmeterの開発では精密なカーネルプロファイリングが取得できるようになったが、それを利用して実際カーネルをチューニングするまでにはいたらなかった。(残念)

後に日本OSS推進フォーラム開発基盤WGのプロジェクトでカーネルの性能評価をしたときにhardmeter開発の経験が役に立ったことは言うまでもない。oprofileという2.6に採用されたカーネルプロファイリングツールを利用してデータを収集した。当初は全く問題点が見えていなかったが約一月ほどプロファイリングデータを分析したところある日突然頭に豆電球が閃いた。その結果はCache Pollution Aware Patchという形になったのだが、後にhardmeterで採取したデータを見ていたら、oprofileで発見した問題の兆候がくっきりとあった。2003年では発見できなかったものを2005年には発見できるようになったのである。

歳をとっても人間は意外と進歩しているのである。脳みそをフル回転してときには頭に豆電球をともさないとと思った瞬間であった。

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